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ID12060
ID15548 |
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行間に、1枚の写真に込められた雑誌編集者の“思い”を生の声でお届けする、雑誌連動企画「マガ・リコ!」。第二回は、OnGenには初登場「“目が騒ぐ”ファッション&ポップカルチャー・マガジン」『EYESCREAM』より、稲田編集長が登場。
お題は、邦画で続々と生まれる“ポスト純愛映画”をピックアップした最新号の巻頭特集「愛が教えてくれること」にも登場、竹中直人監督の新作映画を生んだSUPER BUTTER DOGの「サヨナラCOLOR」。
なお、台風7号の関東上陸を受けて取材時間を急遽繰上げ。渋谷界隈で話題のスポットに開店と同時に入店、夕暮れ時にビールを傾けながらの取材となった。

原田(以下・原)「OnGen初登場なので、まず『EYESCREAM』とは?をお聞きしたいのですが」

稲田(以下・稲)「大きな枠組みでは“カルチャー誌”ですね。『STUDIO VOICE』や『Relax』なんかが同じカテゴリーかな」

原「最新号は映画特集でオダギリジョーと柴咲コウ、しかし前号はジャック・ジョンソン(註:サーフミュージック・ブームを牽引するシンガー)が表紙と、ネタは多様ですよね」

稲「カルチャー誌って、セレクトショップみたいなものなんですよ。EYESCREAMという看板があって、間口を広く開けておいて。そこに入ってくるものを、EYESCREAMというフィルターを通じて発信しているんです」

原「多様と言いつつ、線引きはあるんですよね?」

稲「ここからここまで…って、手でやってもわからないか(笑)。前提は“ポップカルチャー”であること。その定義は多分に感覚的ではあるけど…たとえば、『スター・ウォーズ』はポップカルチャーだけど『宇宙戦争』は違う、とかね。あとは旬である、ということが重要ですね」

原「その感覚だから、ポップカルチャーの一環としてファッションページもあると」

稲「20代が読者層の中心とすると、全て並列だと思うんですよね。カルチャーといっても、いわゆるオタク的に一点集中するんじゃなく、ファッションにもフラットに構えて。毎号「W表紙」をやっていて、裏はポップスターとブランドのコラボなんです。今回はCHEMISTRY×KANGOL(註:イギリスのファッション・ブランド)で、マシンガン持たせて“ブラックスプロイテーション”の世界を再現したりして」


原「バランス、なんですかね。いまポップであろうというのは。ちなみに、ポップカルチャーだ! と言えるミュージシャンなど挙げて頂けると、OnGen的には嬉しいです」

稲「そうですね…ドカっと腰を据えた大物、ていうのはまず違いますよね。変わり続けてゆく、というのが重要だと思う。最近は元気ないけどマドンナとか。あと、マイケル・ジャクソンは、あれだけ変化を続けたからキング・オブ・ポップであった訳だし。あと、ほんとうに新しいことを瞬間的なパワーでやってのけた人も。カート・コバーンとか」

原「当然、(セックス・)ピストルズとか、パンク・ムーブメントはそうですよね。あと、OnGenで配信始めたんですが、ブレイクした瞬間のT.レックスの眩しさなんかも」

稲「そうですね、まさしく。まとめる訳じゃないですけど、EYESCREAMというのは、映画も、ファッションも、音楽も、ポップ・カルチャーという視点で揃えて読者にキャッチしてもらいコミュニケーションを取って、読者と“グルーブ”を生んでゆく…という媒体、ですね」


原「(店舗スタッフに気象情報を聞きつつ)…あ、雨は小康状態ですか。じゃあ、もう一杯お願いしつつ(笑)本題を。EYESCREAM最新号の特集『愛が教えてくれること』から、SUPER BUTTER DOGの『サヨナラCOLOR』です」

稲「この特集は、日本の“ポスト純愛映画”をピックアップしています。『サヨナラCOLOR』は、特集に登場する竹中直人監督の同名映画のテーマ曲であり、物語のアイデア・ソースになっているんです」

原「“ポスト純愛”とは?「セカチュー」、「いま会い」の次、つう事ですよね」

稲「そのブームがひと段落して、いま日本映画で新しい恋愛の形が描かれ始めているんです。 たとえば、表紙の『メゾン・ド・ヒミコ』は、ゲイの老人ホームが舞台なんですよ。ゲイとして生きる為失踪した父親、捨てられた柴咲コウ、そして「死期が近いから会ってくれ」と彼女の前に父親の彼氏として出現するオダギリジョーって、スゴい設定で。それで、父親が亡くなった後に“試しに”ふたりは愛し合おうとしてダメだったり(笑)」

原「ほんとスゴいですね(笑)。そして映画『サヨナラ〜』の“ポスト純愛”とは?」

稲「コレはね…正平こと竹中さんが医者で、そこに初恋の人である同級生の未知子、原田知世が、ガンの患者として現れるんです。この年齢設定もスゴいけど(笑)。正平は必死にアピールするけど、未知子は覚えてないし迷惑。だけど医者と患者だからイヤでも診察で会わざるを得ない」

原「スゴい、相手が来てくれるストーカーだ(笑)」

稲「実は正平もガンと闘っていて、でも未知子の為に献身的に頑張り続けるんです、自分を顧みず。コレだと純愛ものなんですが、同時に援助交際もしたりしてて。でも、未知子のことは本当に好き…こんなバランス、というか美談にしないリアルさが“ポスト純愛”的ですね」

原「そして、このストーリーのキーをSUPER BUTTER DOGの『サヨナラCOLOR』が握っている、と。ネタバレにならない程度に、その関係性を聞かせていただければ」

稲「ボーカルの永積(タカシ・「ハナレグミ」でも活躍)さんと竹中さんがタワーレコードのポスターで共演して、永積さんが『大ファンです』と告げたことから“イイ奴だな”と思い(笑)、交流が始まったそうなんです。そしてある日、アコギ1本で歌う『サヨナラ〜』を目の前で聴いて感動して。それで、この作品のオリジナル脚本に曲からインスパイアされた部分を、馬場当さん(脚本家)と共著で仕上げたという」

原「本当に、この曲から“生まれた”映画なんですねぇ。最近、邦画の主題歌ブームですけど、関係の深さが全然違う」

稲「“名曲”と言われるもののパワーがありますよね。有名な“サヨナラから始まることがたくさんあるんだよ”というフレーズは、やっぱり感動的で深いものがある。映画のキャッチにもなっているほどですし」

原「“サヨナラ”という言葉から前向きな思いを伝えるって、希有な曲ですよね…ところで、見どころは?」

稲「竹中作品の共通項として、俺イズム全開で“逆寅さん”なあたりかな(笑)。スゴく正平がカッコ良くて、未知子は結局心を開くんですよ。本当に逆寅さん状態、『119』とか他の作品もそうですが。あと、冒頭でスチャ(ダラパー)とAFRAが何故か海辺でラップしてたり、(忌野)清志郎さんが何故か同窓会で歌ってたりなんて、随所にミュージシャンが出てくるあたりも。それも、ただのネタじゃなく、ちゃんと成立してるのはさすがで」

原「なるほど。この作品も、曲に対する“愛”が入口でストーリーが広がっていった事がポップカルチャー的なのかな…なんて思ったり」

稲「おっ、ウマい…のかな?こんな感じでシメましょうか」

原「わ、まだこんな時間なんですね…前回と半日違いか…(遠い目)」
(了)
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| 巻頭特集は「愛が教えてくれること」と題し、“ポスト純愛映画”として表紙のオダギリジョー×柴咲コウ主演『メゾン・ド・ヒミコ』や人気コミックの初映画化『NANA』、そして『サヨナラCOLOR』などをピックアップ。 |
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