ロンドン及びロンドン近郊のサセックス州出身の5人組、ザ・フィーリングのデビュー・アルバム。キーンのプロデュースでも知られるアンディ・グリーンを共同プロデューサーに、ザ・ヴァーヴやリチャード・アシュクロフトなどを手がけたクリス・ポッターをミキシングに迎え制作された。
まず最初に言わせていただくと、このアルバムは文句なく素晴らしい。傑作だ。ポップ・センスが並じゃない。クイーンやエルトン・ジョン、カーペンターズのファンであるメイン・ソングライターのダンが紡ぎだすメロディは、圧倒的にポップでどこか甘酸っぱく、そしていつまでも残りつづける。非常にメロディ・オリエンテッド、つまりメロディ重視でありメロディへの愛情を感じられる。すでにリリースされている本国イギリスでは、初登場2位という快挙を成し遂げているのも、まったく不思議ではない。硬質なカッティング、性急なビートを特徴とするポスト・パンク系が大勢を占める現在のイギリスにおいて、彼らの存在は異質だと思う。しかし、これほどメロディが際立っていれば、彼らのようなしっかりメロディを聴かせるというアプローチも充分に成功するということを証明して見せた。ファースト・シングルに6分近くある「Sewn」をもってきたということでも、彼らの自身のほどを伺えるのではないだろうか。特に素晴らしいのはセカンド・シングルの「Fill My Little World」と「Love It When You Call」。この2曲だけでもアルバムを買う価値が充分あるほどの楽曲だ。華麗なギター・ソロに鮮やかなキーボード、最大4人によるコーラス、そしてなによりこのきらびやかでちょっと甘酸っぱいメロディを歌うのにこれ以上に適している声はないのではないかと思えるボーカル、とすべてのパートが極上のポップスを奏でるために集合しているのだ。あとはただ聴くのみである。
最後に、今年のSUMMER SONIC'06でのライブも素晴らしかった。最高の楽曲と最高の演奏で幸福な空間がそこに生まれていた。