• ログイン
  • はじめての方へ
  • 会員登録
  • ヘルプ
  • サイトマップ
  • 総合
  • 邦楽
  • 洋楽
  • 動画
  • 動画カラオケTOP30
 

オトナ向けOnGen

OnGen USEN MUSIC SERVER

>>広告出稿のお問い合わせ
インフォメーション
   
OnGen内検索

バックナンバー

キャンペーン情報

フジテレビ♪ミュージック × OnGen
OnGenアフィリエイトプログラム スタート
JASRAC JASRAC許諾番号
9005801003Y
30005900580
1003Y30007
JASRAC JRC許諾番号:
X000140A02L
JRC許諾番号:
X000140A03L
エルマーク このマークは、レコード会社が提供するコンテンツを示す登録商標です
RIAJ60001008
>> 過去のロゴ一覧はこちら

総合TOP > リコメンドインデックス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2007/12/05 フィル・ウッズ

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
フィル・ウッズ 『At the Montreux Jazz Festival』
フィル・ウッズ  『At the Montreux Jazz Festival』
TRACK LIST
フィル・ウッズ 『At the Montreux Jazz Festival』
フィル・ウッズ
『At the Montreux Jazz Festival』
1969 Release
ダウンロード価格
トラック 各\150(税込)
アーティスト詳細へ
世界最高のソリストによる、最盛時のライブ・アルバム

 なんと…(絶句)…こんな素晴らしいアルバムがダウンロード出来るとは…と言うか、このアルバムがCD化されたことさえ知らなかった…いやはや。

 悲しいことに、90年代に入ってから、われわれはマイルス・デイヴィスディジー・ガレスピーなどの米国勢、それに欧州のステファン・グラッペリなど、もっとも失いたくない巨星たちを、たてつづけに失ってしまった。それから10数年、なんと残酷なことに、それら巨星たちの後継者であるはずだったマイケル・ブレッカーまでをも失った。ガレスピー以外のアーティストについては、ここでも取り上げ、くわしく書いた。こうなると、いま現在、ジャズ界が誇る最高のソリストといえば、ソニー・ロリンズトゥーツ・シールマンズ、そしてフィル・ウッズという3人ぐらいになってしまったように思う。

 フィル・ウッズは、あらゆる意味で「完璧」なソリストである。
 まず、完璧な音色=電気楽器に慣れてしまった現代人が、いちばん勘違いしがちなのがここ。シンセのように「楽器を買えば、無条件で『音色』は付いてくる」ものだと思ったら大間違い。いかなる生楽器であろうと、まず「まともな音」さえ鳴らすのが一苦労なのであり、優秀なプロフェッショナルほど「絶対に毎日演奏(練習)を欠かさない」のは、ひとえに「自分がキープしている『自分の音色』を失いたくないから」、「最高の音色を日々追求したいから」なのである。フィル・ウッズの音色は、すでに「奇跡」でさえある。彼は30代(1960年代)にして、すでに「最高ならぬ、完璧な」アルト・サックスの音色を手にしてしまったのである。誤解を恐れずに言えば、かのチャーリー・パーカーをも凌いだのである。
 そして、完璧な節回し=これは、いかなるクラシックの大演奏家にも匹敵する、いや、それ以上の表現力である。これも音色と同じく、いかなる名演奏家をしても一朝一夕で得られるものでもない。アドリブ以前に、彼が奏でるメロディー・フレージングの美しさたるや、他のいかなるジャズ・ミュージシャンも追従できないほど。ひとことで「完璧な表現力」と言ってもその中には、読譜力、読解力、音程、強弱(ダイナミクス)、音色の多様性など、すべてが含まれるのだ。つまり、いかなる力量も完璧であるということ。
 さらに、完璧なアドリブ=これについては、以下の僕が某音楽専門誌に寄せた原稿をお読みただきたい。


 時の流れとはかくも残酷か、ジャズ・ジャイアンツたちの悲報が絶えない。こうなると本当にフィル・ウッズが最後の「ビ・バップ」名手だ。(ロリンズは厳密にいえばビ・バップではない)。
 チャーリー・パーカーに心酔するあまり、その未亡人までめとった話はあまりに有名だが、音楽的にもウッズは白人でありながら誰もが認める真のパーカー後継者となった。
 さらにウッズは「技術的には」ゆうにパーカーを超えた…もちろんビ・バップを体現して革命を起こしたのはパーカーだが、そのすべてを継承したうえで、史上最高のアルト・サックス奏者にまで上りつめたのである。

 そのウッズが、世界各地のワークショップで、若い後進に必ずやらすのが“Any Key Blues”。Any Keyとは「12調性すべてのキーで」ということ。
 12小節サイクルのブルーズを「F」から始めて(ビ・バップの名ブルーズ群には「F」キーが多い)「Gb」「G」「Ab」…という具合にどんどん上昇転調させて、12調性すべてのキーで「アドリブ可能になれ」という趣旨である。ジャズ・ブルーズは「II-V-I」もしくはその代理コードでドミナント・モーション解釈をくりかえすことにより発展させていくのが「永遠にして黄金の課題」ゆえ、すべてのビ・バップ・フレージングの基本たりうるのだ。
 だが、12調性すべてで、よどみなくアドリブするのはプロでも至難。とまどう後進にウッズは完璧な手本を吹き、さらに必ずこう加える。「“Any Key Stella”も出来るようになれよ」と。
 Stellaとは、特異なコード進行ゆえ「あらゆるジャズ・ミュージシャンが(アドリブおける)完璧な流れを模索しつづける」課題曲的スタンダード“Stella by Starlight”のこと。そんなStellaまで12調性すべて制覇しろとは、まさに「鬼」。さすが、マイルスでもアドリブを躊躇した超難曲“Nefertiti”で、堂々たるビ・バップ解釈のアドリブ名演を残した男である。

 さらに思い知らされるのが、ウッズの「豊饒なる音色」と、クラッシック・ヴァイオリン以上に「驚異的なメロディー表現力」という2点。
 すべてのアドリブ・フレージングが凄まじいほどにスウィングしているのは当然のこと、さらにテーマ・メロディの迫力たるや、とてもソロ楽器とは思えないほどだ。1曲目の表題曲は管弦楽オーケストラを聴いているような量感、歴史に残る名演であるオリヴァー・ネルソンの名曲“Stolen Moments”に至っては、ビッグ・バンドでお馴染みのトゥッティ(総奏)つまり13管ぶんのフレーズを、ウッズがアルト1本で吹ききる。なんと13管以上に圧巻。いつ聴いても鳥肌がたつ。


 そんなフィル・ウッズが、さらに最高に脂がのった時期、1969年モントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ盤である。20世紀、いや今後もふくめたジャズ史上、最高のソリストによる、もっとも美しいパフォーマンスがここにある。

鷺巣詩郎(さぎすしろう)

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





トラックバック
このページはトラックバックが可能です。
トラックバックとは
この記事のトラックバックURL
  http://www.ongen.net/trackback/tb.php?no=2444816
■トラックバック一覧



ページTOPへ