• ログイン
  • はじめての方へ
  • 会員登録
  • ヘルプ
  • サイトマップ
  • 総合
  • 邦楽
  • 洋楽
  • 動画
  • 動画カラオケTOP30
 

オトナ向けOnGen

OnGen USEN MUSIC SERVER

>>広告出稿のお問い合わせ
インフォメーション
   
OnGen内検索

バックナンバー

キャンペーン情報

フジテレビ♪ミュージック × OnGen
OnGenアフィリエイトプログラム スタート
JASRAC JASRAC許諾番号
9005801003Y
30005900580
1003Y30007
JASRAC JRC許諾番号:
X000140A02L
JRC許諾番号:
X000140A03L
エルマーク このマークは、レコード会社が提供するコンテンツを示す登録商標です
RIAJ60001008
>> 過去のロゴ一覧はこちら

総合TOP > リコメンドインデックス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2007/11/21 古澤巌

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
古澤巌 『Dandyism』
古澤巌  『Dandyism』
TRACK LIST
古澤巌 『Dandyism』
古澤巌
『Dandyism』
2007 Release
ダウンロード価格
トラック\200(税込)
アーティスト詳細へ
本当に成熟した、大人のミュージシャン

 前回に紹介したGRAPPELLI&MENUHINつながりで、今回はこの古澤巌の最新盤を紹介しよう。また、いつものことながら自分が参加した作品をこうして紹介するのは、特別な気分だ。
 前回書いたとおり、そのGRAPPELLI&MENUHINに敬意を表したアルバムを、葉加瀬太郎&古澤巌で制作した去年(2006)、僕は古澤巌とはじめて仕事を共にして、すっかり意気投合してしまった。年齢的にも近い(鷺巣1957年生まれ、古澤1959年生まれ)という理由も、あるかもしれない。しかし、本当に成熟した大人のミュージシャンとの音楽制作とは、これほど楽しいものなのだ、と痛感したのが何よりの理由だ。
 そして今年2007年初頭、約半年ぶりに今度は古澤巌のリーダー・アルバムの制作が始まり、また参加することになったのである。僕が制作したのはアルバムの半分だが、のこり半分を担当したのが、葉加瀬と同じく元クライズラー&カンパニーの竹下欣伸。ずっとクライズラー&カンパニーのアルバムを一緒に制作した僕らは、もう20年近いつきあいだ。この古澤の『Dandyism』制作も、古沢、葉加瀬、竹下、そして僕が全員でやりとりしながら、選曲にはじまり、どの曲で誰が何をするか、などを決めてながら進めていった。

 僕の制作場所はLondon、竹下は東京ではじめて、ヴァイオリンのレコーディング、およびミックス作業でふたたび東京に集結した。

 Londonでは、たっぷりプログラミングをして、まずリズムを徹底的に強力に整えた。古澤ほどのヴァイオリニストが奏でるヴァイオリンは、どんな強力なリズムをあてがっても絶対に大丈夫。というか、逆に生半可なリズムでは太刀打ちできないのである。本当に優れたミュージシャンというのは、いかなるジャンル、カテゴリーを問わず、恐ろしいほど「独自の素晴らしい感覚」でリズムに対峙できるものだ。そして、相手がどんな大人数のオーケストラであろうが、なんと機械(プログラミング)であろうが、間違いなく「自分のリズムで」それらをぐいぐい引っ張ってしまうのだ。
 もちろん物理的にはプログラミングを牽引することは不可能だが、そこは、さも牽引しているかのように聴かせる「絶対的な場所」をリズムの中に見出していく、という才能である。きっとそれは、数学的にはミクロのタイミングだが、それらを動物的に一瞬のうちに感知して、ピンポイントでヒットしていくという「恐ろしい才能」だ。

 次に、Londonではオーケストラを徹底的に整えた。今回は、あえて古澤以外の生楽器を廃し、すべてサンプリングされたシンセサイザー音源によるプログラミング・オーケストラである。マスターピースのスコアをプログラミングしていくのは、かなり骨が折れる作業だが、ひとたび仕上がればその快感はひとしお。コンピューター制御であらゆるテンポや表現にも嫌な顔ひとつせず対応してくれる夢のオーケストラが誕生するのだから、それはそれで生のオーケストラ以上に堪えられない快感もある、というわけだ。

 そしてラップ、ボーカル、語りなど「人間の声」のレコーディングがLondon最後の作業だ。あえてオーケストラをシンセでまかなったのは、古澤のヴァイオリンと共にこれら人声を引き立たせたかったためでもある。ラップは、ホンモノのストリート・ファイターMalicious、彼とは10年以上にもなるが、なにしろリリックスが面白くて素晴らしい。ヴァイオリンを「あおる」という新しいチャレンジを成功させてくれた立役者である。ボーカルと語りは、天才的なテナー・バリトンのIan PITTER。彼の豊饒に響く低音ボイスだけは他の何物にも代えがたい。主役のヴァイオリン中高音とのコントラストの妙は、まさに狙いどおりの「快楽空間」をもたらしてくれたIanである。

 そして最後に、僕が某音楽誌に寄せた「古澤にささげる文章」を紹介しよう。


 古澤巌は恐ろしく妖艶なヴァイオリニストだ。

 欧州や南米のヴィルトゥオーソたちが持つ「妖艶な音色」だけは、アジアや北米ミュージシャンがなかなか持ち得ないもの。まず、半端ではない熟練したテクニックが絶対条件。さらに、パフォーマンスからほとばしる色香が絶対必要。どちらも兼ね備えた古澤巌との仕事……同じ音楽家としてこれほどの享楽があろうか。

 誤解を恐れずに敢えて書くが、クラシカル・クロスオーバー・ミュージシャンが陥りやすい欠点は「晴天こそが聴く人の心を癒す」と勘違いしがちな点だと僕は考える。とんでもない、どんよりとへこんだ陰影を表現出来てこそクラシックだ。そこが単なるクロスオーバーではなく「クラシカル」クロスオーバーたるレゾンデートル(存在理由)ではないのか。  何百年もの間、聴く人を虜にする「クラシック音楽」という希有なるエンターテインメント、その一番大きな魅力である妖艶さだけは決して失ってはならない。だからこそ、今回の選曲は大正解だと信じている。

 僕がサディスティックに変形させたマスターピースたちに、古澤巌が愛おしく奏でるヴァイオリンが、まったく新しい妖艶な輝きを与えたのだ。なんと恐るべき弾き手だろうか。

鷺巣詩郎(さぎすしろう)

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





トラックバック
このページはトラックバックが可能です。
トラックバックとは
この記事のトラックバックURL
  http://www.ongen.net/trackback/tb.php?no=2440166
■トラックバック一覧



ページTOPへ