• ログイン
  • はじめての方へ
  • 会員登録
  • ヘルプ
  • サイトマップ
  • 総合
  • 邦楽
  • 洋楽
  • 動画
  • 動画カラオケTOP30
 

オトナ向けOnGen

OnGen USEN MUSIC SERVER

>>広告出稿のお問い合わせ
インフォメーション
   
OnGen内検索

バックナンバー

キャンペーン情報

フジテレビ♪ミュージック × OnGen
OnGenアフィリエイトプログラム スタート
JASRAC JASRAC許諾番号
9005801003Y
30005900580
1003Y30007
JASRAC JRC許諾番号:
X000140A02L
JRC許諾番号:
X000140A03L
エルマーク このマークは、レコード会社が提供するコンテンツを示す登録商標です
RIAJ60001008
>> 過去のロゴ一覧はこちら

総合TOP > リコメンドインデックス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2007/09/19 Ms.ダイナマイト

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
Ms.ダイナマイト 『A Little Deeper』
Ms.ダイナマイト  『A Little Deeper』
TRACK LIST
Ms.ダイナマイト
『A Little Deeper』

2002 Release
ダウンロード価格
アルバム\1,500(税込)
トラック 各\150(税込)
アーティスト詳細へ
「決してこのまま終わるアーティストではないはず」

前回エイミー・ワインハウスについて書いたとき「UKから登場したオルタナティヴR&B、オルタナティヴHip-Hop」と書いた。しかし、それはUSのR&B、Hip-Hopが熟成期を通り越し、混沌としてきたここ数年の話であり、ちょうど新世紀をまたいだ6〜7年前だったら、オルタナR&B、Hip-Hopが登場する土壌ではなかったはず。
 それが証拠に2001〜02年にUKから登場したのはMs.ダイナマイトやビッグ・ブロヴァズといった、どちらかといえば正攻法型のHip-Hopアーティストである。もちろんUSからは登場しそうにはないUK的なプロダクションではあったが、あくまでもUSを理想としたHip-Hopだ。オルタナではなかった。当時のビッグ・ブロヴァズのPV(プロモ・ヴィデオ)など見ると、その後世界的に売れたブラック・アイド・ピーズのようでもある。そして、Ms.ダイナマイトもビッグ・ブロヴァズもUKでは爆発的に売れたものだ。とくに、女性であるMs.ダイナマイト本人のパーソナリティにも人気が集中したし、そのリリックスがシンパシーを呼び、さらには白人インテリ層にも受け入れられたことが、僕にとっては非常に印象深かった。

 いま、こうしてあらためてMs.ダイナマイトのこのアルバムを音を聴いてみると良い意味で、「耳ざわりのいい」プロダクションがなかなか心地よい。パトリース・ラッシェンのようなソフト&メロウなR&Bソウルを聴いているようだ。彼女(パトリース)がウケたのも、そして普遍的な魅力を持ったR&Bソウル・アーティストであることも、「曲想プラス声質」であるという理由がなによりだが、Ms.ダイナマイトについいてもまったく同じことが言えよう。Hip-Hopはもっともアップ・トゥ・デートでなければならない音楽であり、それがPops化した、巨大化した理由でもあるのだが、やっている音楽よりMs.ダイナマイト本人の魅力がそういうものではない、ということだ。USのHip-Hopアーティストたちが皆、典型的なステレオ・イメージ以外のキャラクターを持てずに苦労している現状を考えれば、彼女のこのキャラクターはまさに理想的である。

 しかし残念ながら彼女は失速した…以下は僕が、おととしの2005年に某音楽専門誌に書いた、その失速理由と、UKの音楽業界のウラ話である。


 僕がここでMs.ダイナマイトを紹介したのは2003年1月号のこと、原稿を書いたのが02年11月だから彼女がUK市場を席巻したのは02年といったところだ。しかし2005年の今、彼女の名前はここUKでも全く聞かない。まだ2〜3年しか経っていないというのに昨今のスター・システムとは、いとも儚(はかな)いものだ。あれほど彼女を持ち上げた僕が言い訳をしなくても済むのは、彼女の失速理由が一般的にわりに知られているからである。そう、絶頂期の懐妊、これは間違いない。どのくらい絶頂であったかといえば、バック・ミュージシャンだった我が親友ジェリー(・ブラウン)の言を借りれば「たかがバックのオレまで、いたるところでチヤホヤされる(笑)ぐらい」手がつけられないほど超絶頂だったという。
 そんな彼女の失速の裏にある隠れたサイド・ストーリー…これが我々にとってかなり興味を引く。彼女のプロデューサーはかなりの実力派であり、しかも行動を起こすのが素早いヤリ手としても業界で名が通っていた。絶頂期になってから計画するのでは遅きに失するだろうし、カネ目当ての連中にも跋扈されると踏んだ彼が「北米戦略」をデビュー前から着々と練っていたのは、じつにクレヴァーである。さらに、その戦略には「絶対失敗しない」どころか「絶対成功させる」ための隠し玉もあった。Dr.ドレである。ドレに彼女の全米デビュー曲のプロデュースを依頼し、交渉を密に進め、ドレの快諾まで得ていたというのだからオドロキだし、彼女がUKを制覇する頃に、これら「すべて」の準備がすでに万端整っていたというのだから、まさに完璧だった。
 しかし、あとは本人同士が顔合わせをしてGo!という最も重要なタイミングで彼女、およびスタッフは妊娠を知る。ここまで完璧だった彼女の「すべて」はこれを期に坂道を転げ落ちるのである。本人のための顔合わせなのにプロデューサーとスタッフしか居ない席に現れたドレは彼女を訝って“君らは空腹だが、彼女は腹がへってないようだな”と言い放ったという。件のプロデューサーはさぞや唇を噛みしめたことだろう。その時、彼女は慣れないLAに来ていたは来ていた。つまり顔合わせに出席する意思はあったのだが、ホテルに居てツワリと奮闘中だったという。なんとも悲しくやりきれない結末である。大袈裟だが「その時、歴史は動いた」のだ…。


 この原稿を書いた2005年から彼女は新作をリリースして活動を再開した(もちろん、それなりに続けてはいたのだが)。5〜6年前ほど派手な露出はなくなったが、このまま消え去るアーティストでは決してないことは周囲も認めるところだ。そして、USもUKも、この5〜6年で音楽業界は一変した。それが彼女にどう作用するか? UKオルタナR&B、Hip-HopがUSでジワジワ来ている最近の状況もふくめて、Ms.ダイナマイトに密かな期待をよせている者は、僕以上に沢山いるはずである。

鷺巣詩郎(さぎすしろう)

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





トラックバック
このページはトラックバックが可能です。
トラックバックとは
この記事のトラックバックURL
  http://www.ongen.net/trackback/tb.php?no=2414117
■トラックバック一覧



ページTOPへ