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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2006/08/16 カーペンターズ

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
カーペンターズ 『Carpenters Gold』
カーペンターズ 『Carpenters Gold』
TRACK LIST
カーペンターズ
『Carpenters Gold』
2000 Release
ダウンロード価格
アルバム\1,500(税込)
トラック 各\150(税込)
カーペンターズ 特集ページへ
アーティスト詳細へ
マイケル以上の、つまり史上最高の「キング・オブ・ポップ」はカーペンターズ

唐突だが「ラブ・シート」というのをご存知だろうか? うん、確か「ラヴ」ではなく「ラブ」だったはず・・・

 60年代にビートルズが来日したのは有名な話。そして、70年代に入るとBS&T(ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ)を皮切りに、シカゴ、レッド・ツェッペリン、グランド・ファンク・レイルロードピンク・フロイドディープ・パープルなどが、こぞって来日して、いわゆる「外タレ」ブームが黎明期をむかえるわけです。このあたりはピンク・フロイドのリコメンドの時にも書きましたね。
 あ、90年に初来日した、かのローリング・ストーンズも、じつは73年に初来日の予定だっとことも有名ですよね。来日が決定した72年当時15〜16歳だった僕は、ストーンズのチケット欲しさに渋谷のパルコだったっけな〜、もちろん友達と手分けをして徹夜で並びましたよ、ハイ。で、かなり良い席を確保できたのですが、来日中止になって、これはあまり知られてないのですが、じつは前座予定だったUFOだけは来日したんですよ、なんと! もちろんUFO観に行きましたね、僕は。なっつかしいな〜。
 ビートルズをのぞく、これらのグループのすべての来日を招聘したのがU-DO(ウドー)音楽事務所というのもスゴイことですが。

 ただ、こう書くと、さも「来日ラッシュ」だったように思われるかもしれませんが、今は日本各地のライヴ・ハウスにでさえも毎日欠かさず、かならず外タレが来日してる時代ですから信じられないでしょうが、当時は「外タレが来日する」ってのは半年、数ヶ月に一度の一大行事だったのです。しかも当時の音楽専門誌なんて、冗談ではなく『ミュージック・ライフ』と『スウィング・ジャーナル』の月刊2誌しかなく、来日「情報」ソースは2誌+ラジオだけだったのです。『ぴあ』なんてのが創刊されたのは、もっとずっと後の話ですし、テレビでの来日告知やCMなんて皆無でしたし・・・(そのかわりTVは今以上に外タレ公演を録画中継はしてくれたけど)
 『スウィング・ジャーナル』がメイン・ストリームのジャズしか掲載しないのは当時も今も変わりありませんが、当時の『ミュージック・ライフ』は万能でした。クラシック以外であれば、ジャズもロックもソウルもポップスも全部掲載されてたのです。チック・コリアもツェッペリンもスティーヴィー・ワンダーカーペンターズの情報もみんな『ミュージック・ライフ』に出ていたのですから・・・なにしろ当事の『ミュージック・ライフ』の人気投票でにジミー・ペイジも渡辺貞夫も一緒だったのですから(笑)・・・・・・

 で、やっと出てきましたね「カーペンターズ」の名前が。

 そう、当事からウドーがよぶ外タレはロック系なのに対し、キョードー東京(同じくメジャー招聘会社)がよぶのが、ビートルズやカーペンターズなどの王道ポップス・アーティスト、という振り分けだった。
 いつからかマイケル・ジャクソンが、自分を「キング・オブ・ポップ」と称するようになり、周りもそれに従っているかのようだが、僕、鷺巣詩郎(さぎすしろう)にとって、キング・オブ・ポップと言えば、もう、いついかなる時であろうが、誰が何といおうが、絶対的に、カーペンターズなのです。

 ちなみに、ここUKでの最近のキング・オブ・ポップ・ランキングはU2、マイケル、マドンナの順らしいが・・・まあ、そんなことはどーでもいい。キング・オブ・ポップの作曲家はバート・バカラック、アーティストはカーペンターズ。もう疑問をはさむ余地はまったくない。
 ポップであることに対する「Raison d'Etre(レゾン・デートル=存在理由)」に、ロックやジャズのそれのような、まどろっこしい理屈はいっさい必要ない。僕にとっては一言、ただただリチャードの「まっとうさ」と、カレンの「声」。
 兄リチャードが、音楽的にまっとうに素晴らしいこと、そして彼の頭脳が音楽的にとてつもなく聡明かつ明晰であることは、誰の耳にも明らかだ。アーティストというよりも、そのカーペンターという名前ではないが「職人としての素晴らしさ」である。彼は「超をいくつ付けても」おかしくないほど一流中の一流コンポーザー、アレンジャーである。アーティストとしてカーペンターズはレジェンドであるが、そういう作家性という意味では、リチャードは被過小評価の典型かもしれない。

 そしてカレンの声、ああ、この声をなんと形容したらよいのだろう。「天使の」声でも良いのだが、それでは、なんか逆に薄っぺらく感じてしまう。まさしく「キング・オブ・ポップ」の声としか言いようがないのだが。それは大袈裟でもなんでもなく、

 まったく存在感のない、圧倒的な存在感

 ということ・・・・・・この矛盾にみちた、いわゆる理論を超越した声の持ち主カレンこそ、不世出の天才なのかもしれない。

 あ、ごめんなさい「ラブ・シート」の話を忘れてましたね。カーペンターズが初来日したとき、ひとり3000円(だったと思う)のチケットのほかに、ふたりで5000円(だったと思う)という、カップル・セットのチケットが売り出されて、それを称して「ラブ・シート」って宣伝してたのですよ、なんと!
 はい、高校生だった僕もこの「ラブ・シート」を買ってカーペンターズの初来日公演を観にいきました!! で、「ラブ・シート」の正体とは隣同士ふたつの椅子が「赤いリボンで結ばれている」っていう演出だったのですよ、う〜ん、すっごいですね〜。もちろん「ラブ・シート」でカーペンターズを堪能しました、僕らカップルも。

 あと、音楽的にすごく印象的だったのは、バックバンドの管楽器奏者がMAESTRO社のエレキ・サックスを使って、リチャードの変幻自在のアレンジに合わせて、数多くの管楽器の音を擬似的に出してたことかな。伊東たけしはおろか、かのトム・スコットでさえリリコンを使うずっと以前のハナシですよ。当事サックスをやってた僕も、もう当然のことながら感化されちゃって、すぐに渋谷のヤマハに行きました(笑)

 鷺巣詩郎(さぎすしろう)

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





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