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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2006/06/21 Ne-Yo

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
Ne-Yo『In My Own Words』
Ne-Yo『In My Own Words』
TRACK LIST
Ne-Yo
『In My Own Words』
2006 Release
ダウンロード価格
アルバム \1,500(税込)
トラック 各\150(税込)
Ne-Yo特集ページ
インナミリコメン [Ne-Yo]
アーティスト詳細へ
Ne-Yo、およびStargate、そして全ての裏方さん

はい鷺巣詩郎(さぎすしろう)です。研さん、おひさしぶりです、ほんと。
 印南さんのリコメンと重なっちゃいましたが(笑)切り口は、まったく違う「Ne-Yo」です。
 ではでは、毎度すばらしい研さんの文章を、そのまま掲載いたします。
 そんじゃ研さん、ヨロシクどーぞ!!

 ヒット曲が世に生み出される背景には、実に色々な要因があります。音楽作品自体に魅力がある事は勿論なのですが、その魅力を多くの人々に伝える為の戦略を考えて実行する人や、膨大な数の販売店への営業マン、それに最近ではネットでの配信ビジネスをする際の演出を行う人等々、ホントーに色んな人々が色んな役割を果たしているんです。音楽というものは、人間の感覚的な部分に訴えかけて初めて様々な価値が生まれて、その結果ヒットするものだから、実に観念的な商品だと云えるんです。
 だからヒット曲の背景を分析するなんていう記事が、なんとかビジネスとかそうゆう雑誌に載っている場合、殆どがマーケティングの分析に終始した的外れなものが多いんです。ま、これはその雑誌の特性なのだから仕様がないのだけれども、音楽ヒットを分析できるものだと思われては一寸困ってしまいますよね。人間が生み出すものだという点では、つねに割り切れない、数値化できない何かを音楽は纏っているワケだし、だからこそ芸術たりうるものなんですから。

 小説の巻末での解説や書評では同業者である作家が、自分以外の作家の作品を語っている場合が多くあります。データを多用したプロの評論家の文章よりも、よほど読者の心に響くものが多いと思われます。加えて信頼性といったものも然り、です。あ、これは元来が物書きの人が自分の感じた事を文章にするのだから伝えるのが上手かったりするのは当然なのですが、重要なのはレビューするにあたって、同業者として産みの苦しみを共感して、自分の立ち位置を踏まえた上で解説したり評論したりすると、そこには無責任な批評だとかが皆無になるということなんです。
 一方音楽評論の場合はというと、同業者、つまりミュージシャンやプロデューサーが他人の作品を解説することは殆ど無い。これは当然ですよね、本業じゃないんだから。鷺巣さんみたいに精力的に文筆業もこなす音楽家ってのは、殆ど存在しないと言ってもいいと思います。
 では音楽評論家の解説やレビューがどうなのかというと、確かに一部にはその無責任な物言いに閉口してしまう様なものを目にする事もありますが、多くの方々は驚くべき正確なデータと音楽に対する情熱でもって、その音楽の付加価値を高めようとなさっているのですね。たとえ今の読者の感覚に合わせたゆるい文体でも、本質がそういった真摯な文章に出会う度に、僕は本当に感心したりします。

 さてさて、そろそろ本題です。世界中で大ヒットしたne*yoのアルバムですが、チャート・アクションに関係なく、手に入れた殆どの人がその内容に大変満足しているようです。これはその作品の質の高さと時代との符合性の高さの証明です。彼は才能に溢れ、しかも今の時代にぴったりと合ったシンガー・ソングライターだということです。だけどトラック・メイカーではない。なんとなれば“So Sick”“Sexy Love”といった先鋭的で独創性に優れたバック・トラックはStargateの手によるものですし、他の全ての楽曲に於いてもバック・トラックには第三者のクレジットが記されているからです。
 一部ではどうもこの辺が混同されて紹介されているので危機感を持った次第。細かい事というなかれ。伝える側の責任感の欠如、無責任さは、不幸そのものなのですから。全てがアーティスト本人の作品だと思われては、英国で地道に質の高い作品を作り続け、遂には米国のハードコアな音楽業界で大成功を収めたStargateの様な才能や、ne*yoとStargateを引き合わせた人物の才覚、そしてスタッフの苦労があまりにも報われないというものです。
 こういった裏方の仕事にも興味を持って、出来れば敬意を持って、完成された音楽作品を聴く事が出来れば、もっと洋楽を楽しめる事うけあいなんですけどね。

Text by Ken "Sugarkane" Sato

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





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