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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > (隔)週刊 鷺巣詩郎 > 2006/01/04 マイケル・フランクス

(隔)週刊 鷺巣詩郎  鷺巣詩郎の選ぶおすすめの1枚
今回のPICK UP マイケル・フランクス『The Best Of Michael Franks』
Craig David『The Story Goes...』2005/08/24 Release
TRACK LIST
Michael Franks
『The Best Of Michael Franks』
1998/05/07 Release
ダウンロード価格
トラック各 \150(税込)
01. Popsicle Toes  >>試聴
02. Eggplant
03. The Lady Wants To Know  >>試聴
04. Antonio's Song  >>試聴
05. When The Cookie Jar Is Empty  >>試聴
06. Tiger In The Rain  >>試聴
07. Baseball  >>試聴
08. Love Duet  >>試聴
09. When Sly Calls  >>試聴
10. Your Secret's Safe With Me  >>試聴
11. When I Give My Love To You  >>試聴
12. Island Life  >>試聴
13. The Art Of Love  >>試聴
14. Soul Mate  >>試聴
15. Hourglass  >>試聴
アーティスト詳細へ

 Michael Franksといえば1977年のアルバム「Sleeping Gypsy』、とゆう日本人の皆さんも多いかと思います。もちろんかくゆうアタクシもMichael Franksと云えば「Antonio's Song」というティピカル・ジャパニーズでした。ところが最近になって、別の楽しみ方をMichael Franksの音楽から見つけたんです。そこで今回は、特定の音楽に対する固定観念を捨てて、別の楽しみ方を見つけてみよう、とゆうお話です。

 Tommy Lipuma、Al Schmittが制作に携わった初期のアルバムが、なんつっても30代後半から40代のティピカルAORリスナーにとっては影響大な訳ですが、この辺が入り口になった人たちって、ジャズに行ったりブラジル行ったりしたMichael Franksをずうっと追いかけてますよね、きっと。なんか人生とかもちゃんとしてそうな気がします。一方P-Funkとかをずっと聴き続けてると、やっぱちょっとアレかなとゆう感じです。どうかここで笑ってやってください。  で、ずうっと同じ音楽を聴き続けるのってそれはそれで素敵な事なんですが、ごはんと一緒で食わず嫌いは勿体無いんじゃないかと思うんですよね。僕は色んな音楽を積極的に楽しむことで確実に視野が広くなったし、仕事に携わる上で音楽的な引き出しの多さが如何に重要かという事を痛感してきました。色んな音楽を貪欲に聴き続けてると、ある瞬間に情報の受け手の側から送り手の側にするりと変わってしまう瞬間があるんです。  

 閑話休題。Michael Franksに関しては前述の通り、その入り口はいたってフツーでした。ところが、ある程度追いかけて聴いているとその音楽に自家中毒みたいなところがあるのを感じてくる。こーなるともうダメで、とたんに聴くのを一切止めてしまう。でもそうやって聴いてきた音楽は決して忘れる事がなくて、何年か経ってから聴くと懐古趣味ではなしに新しい魅力を放っていたりするんです。個人的には「One Bad Habit」がそうでした。ですがこの曲、残念ながらベスト・アルバムには入ってません。とほほ。

 1980年のアルバム『One Bad Habit』は、RufusのAndre FischerがTommy Lipumaと共同プロデュースしてるとゆうナイスなアルバムで、表題曲「One Bad Habit」は、じんわりファンキーなリズムでしっかりハネてて、なにげにフロア向けだったのです。が、なにせボーカルがボーカルなので、案の定おっしゃれーなバック・トラックになってて唯我独尊な世界を展開してます。で、これがまた今聴くと、たまらなく気持ちよかったりする。ちょーどいい感じ。この辺の絶妙なハネ/スイング感は前回のここでの鷺巣さんの解説にある通りポピュラー・ミュージックの源泉、快感原則の大きな柱となっている訳です。加えて、16の裏でバシッとリズムを決められると、ヒトとゆう生き物は無条件に感じてしまうものらしいのです。

 隅々まで張り巡らされた音楽理論の糸を拡大してみたら、ねっとりとしたファンクの粘液が染み込んでいた、そんな感じでしょうか? もっともMichael Franksとゆうアーティストの本質は別の所にあるので、こりゃ特別な例と云う事になるのでしょうが。いやしかし、ずうっと洋楽を聴き続けてきたスキルの高いリスナーだったら、今のこの時代だからこそ、「One Bad Habit」を聴き直してみてもよいのではなかろうかと、アタクシこー思う訳です。もともとMichael Franksって、ジャズやブラジル、ボサノバなんかをひっくるめたA0Rアーティストとしてのみ語られてきたようなところがありますから、そろそろラウンジとゆうかクラブ・ミュージック的な聴き方をしてみるのも面白いのかなと。

 こうゆう独自の視点をもって音楽を聴いたり語ったりするのって、イギリス人が得意とする楽しみ方の伝統みたいなものです。その結果、ロックにせよブラック・ミュージックにせよ、アメリカン・ポップ・ミュージックの影響を否定するのでは無く、オリジナリティーのあるアーティストを生み出したり独自の流行を造り出したりしてきた訳です。で、僕達日本人にはそこが決定的に欠けているのではなかろうかと思うんですよね。もちろん例外はあります。  が、絶対数は限り無くゼロに等しい、と、ゆうのは厳しすぎるでしょうか? どうでしょうね、鷺巣さん。

Text by Ken "Sugarkane" Sato

 ふむふむ、なるほど研さん…いや、もっともだと思いますよ。いやね、関連するハナシなんですが、僕もさんざんMichael Franksは聴きましたよ。もちろん研さんゆうところのティピカルだったかもしれません。なんつっても「あの頃」はもう毎日渋谷シスコ(今とは180度違う店)の入って左奥の棚を一枚一枚チェックしてましたから。で、デビュー盤『Art Of Tea』はクレジット見て即買いでした。そうして輸入盤から発見したのは他にも“Seawind”だったり、“Brothers Johnson”だったり「他人より早い」っていう若さゆえの変な自負もあったし。

 ただ当時AORって言葉は無かったし、Fusionって言葉も無かった。かろうじてCrossoverかな。でも僕は、ごりごりのJazzファンだったから、そういう軟派な「呼び方」は気に入らなかった。それにミュージシャンとして「終わりかけのJazzに」よりも「Michael Franksのバッキングのほうに」確実に未来を見いだすことの出来る自信が、そのときの自分に充ち満ちていたのだと思う。いまとなっては、それをティピカルというのかもしれないが、AORのもう少し前の「アメリカのJazz屋からの今後の提唱」みたいに、僕は受け止めていたのかもしれない。

 そう、あとJazzファンだからMichael FranksやBob Jamesなんかはレコードとしては大好きでも、主役のMichael FranksやBob Jamesのことは正直「シロっぽいけどいいのかな〜」と心の底でチョット疑問に思うこともあった。でもそれが、その当時僕が一緒にやってた黒人ミュージシャンと酒飲んでたときに、そいつが、しみじみ「死ぬまでに一度でいいからBob Jamesとやってみたい」って告白するのよ…なんかモーレツ目からウロコだったのを良く憶えてるわ。

 研さん、そん時からですよ。僕が「クールとか、メロウ」っていうのを「(音楽を)演る側として」強く意識するようになったのって。  だから、それから20年ぐらいして、そう、今から10数年前にLondonの黒人連中と演るようになったとき、彼らが「Michael Franksイイよね」とか「Totoサイコーじゃん」ってゆうのをきいても全然驚かなかった。黒人たちのほうがマジこーゆー音を好きなんだわ、ホントに…って、わかってたから。

 ごめんなさい、研さん、ハナシそれちゃいました? ってゆうか、わかってくれますよね、このカンジ(笑)。 はい、鷺巣詩郎(さぎすしろう)でした。

お知らせ
ワールドワイドに活躍中の作曲家、音楽プロデューサーの鷺巣詩郎のブログ「SHIRO'S SONGBOOK ひろば」がついにOPEN!
プロフィール
鷺巣 詩郎
25年以上もの長きにわたり第一線で活躍し続け、驚異的なキャリアを誇る、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
80年代初頭のアイドル歌謡曲時代から、インストゥルメンタル・アーティスト、近年のシンガー・アーティストに至るまで広範囲にわたり何百何千もの楽曲、アーティストを手掛け、くわえて、映画、TVなど、あらゆる映像音楽(サウンド・トラック)分野でも活躍、あわせて膨大な数の大ヒットを、絶えず世に送り出している。
90年代よりヨーロッパでも活動、パリでのクラブ経営、英仏アーティストの楽曲も手掛ける。また日本人として初めて韓国映画の音楽監督もつとめた。
近年の代表作はMISIA、平井堅、CHEMISTRY、エリーシャ・ラヴァーン、SMAP、「新世紀エヴァンゲリオン」「MUSA」「CASSHERN」など。 自身のアーティスト活動も”SHIRO'S SONGBOOK”シリーズとして継続中、最新CDが2005年8月avexより発売される。
R&B専門誌への長期連載、USENサイトへのコラム、ブログなどの執筆活動も盛ん。現在ロンドン、パリ、東京の3ヶ所に在住。
USENのCS衛星放送SOUND PLANETにて鷺巣詩郎選曲による音楽プログラム『SHIRO'S SONGBOOK』(BF-53チャンネル)が 絶賛放送中! こちらもお聴き逃しなく!





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