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トートツですんません。いやはや実に15,6年ぶりにFoster & McElroyのアルバム“FM2”を聴いてみた訳です。今回のピック・アップはEn Vogueデスカラネ。ま、いちおースティヴィーの新作発売記念の意味もちょびっとだけ兼ねてます。
“FM2”、なんつっても1989年の作品ですよおとーさん。CDの盤面がカビてました。当時はそのあまりにもダークなサウンド&ソリッドかつ粘着質なグルーヴから、ホントーに一部のマニア以外には全くといっていいほど理解されてませんでしたからねエフエムスクエア。とゆうか‘Dr. Soul’というシングル曲がヒットしちゃったもんだから、間違って買っちゃったみたいな人が殆どなのではないかしらん。
この後にEn Vogueの‘Hold On’があったからよかったようなもののFoster & McElroy、実に期間限定で才能を爆発させたプロデューサーではありました。んでもって今になって聴きなおしてみたけどやっぱ暗かった。当時もなんだかとってもダークな感じがして、「妖しげニュー・ジャック・スイング」なんて勝手にいってましたが、今だったら「貧乏系NJS」というのがたりぴつかも知れません。
肝心の(En) Vogueが歌ってるのは‘Desperately’と‘Waiting On You’の2曲。前者はこれぞまさに貧乏系と呼ぶに相応しい、鳴ってる音のバリエーションは少ないのに矢鱈とみっちりして、なおかつ無闇に跳ねてて元気いっぱいのニュー・ジャック・スイング。今聴くとそうとうしんどいっす。だがしかーし、後者はまるで粘液がだらりだらだらと滴り落ちてくるが如き濡らし系スロウ・ジャムで、正直タマりませんでした。あと En Vogueはかんけーないけど、‘Around The World In 80 Beats’とゆうインスト曲もDefでげす。
はい、本題に入りますです。
これまた懐かしいJay KingとコラボったTimex Social ClubやClub Noveauといった特大ヒットが有ったにもかかわらず、Foster & McElroyといえば殆どの人がEn Vogueのプロデューサーとしてその名前を思い出すと思うのですが如何でしょう? っていきなり云われてもなんなのですが、まーだいたいそんな感じかなとは思います。そして裏返してみると、En Vogueってのもちょっとブラック・ミュージックに詳しい人なら例外なく‘Hold On’、つまりはFoster & McElroyが生み出した永遠不滅のR&Bクラシックスを思い浮かべるはずなんですね。
事実、‘Hold On’以外にもある彼女達の代表曲は、‘Free Your Mind’、‘My Lovin'’、‘Give It Up, Turn It Loose’、‘Lies’、‘Runaway Love’等々、殆どがFoster & McElroyのプロデュース作なんです。もちろんそれ以外にもOrganized NoizeやBabyfaceといったリッチなサウンド・プロダクションもあるのですが、En Vogueのサウンド・イメージはそのままFoster & McElroyのプロダクションですし、Foster & McElroyの代表作といえば、En Vogueでの一連の作品とゆうことになると思うんです。
En Vogueの2ndアルバム“Funky Divas”は、アートワークも含めてそのすべてが、とてもゴージャスな意匠に溢れた作品でした。まさにビッグ・バジェットな音楽作品だった訳です。それも結局は1stアルバム、“Born To Sing”の大ヒット、‘Hold On’という楽曲があったからこそ、なんですよね。
なにかとても幸せな、理想的な成功例を見ているような気がします。
歌い手と作り手の相性という点では、En VogueとFoster & McElroyはホントに良かったんだと思います。ひじょーにしつこいですけど、‘Hold On’ってのは物凄く希有な、奇跡のような楽曲なんです。‘Hold On’は年をとりません。いつまで経ってもクールでエモーショナルでファットでスタイリッシュです。なんなんだよこれ、もー即死だよって感じです。宇宙旅行です。またかよ、かってに行ってろよむしろ行ったきりならなお良しぐらいの感じです。あ、でも‘My Lovin' (You're Never Gonna Get It)’もすげえな。
Text by Ken "Sugarkane" Sato
そして、おなじみの鷺巣詩郎です。
いやはや研さん、まいど完璧なレヴューじゃないですか! またしても書きくわえることが無いほど徹底的に要点を攻められちゃいましたね〜(笑)ホント。
で、もちろんモダンR&Bのまさに礎(いしずえ)的な初期の傑作が、やっぱ「スゴい、ヤバい、キモチいい」の3拍子モンなんですが、僕はなぜか2000年に発表された“Masterpiece Theatre”って作品が本当に、本当に大好きなんですわ。
研さん、白状しちゃいますが研さんと僕で2003年に制作したMAYAの“Angel Plays Soul”っていうアルバムのトリガーが、この“Masterpiece〜”なんですね。タイトル通り、なんとクラシックやオペラを題材にした「元メロ」なんですよ! って言ってもいわゆるHip-Hop的な「ネタ使い」じゃなく、しっかり音楽的に緻密にアレンジして構築されたトラックなんです。それもハンパじゃなくカッコよろしい。もうヴォーカル・アレンジの素晴らしさったら、他にたとえようがないほどの完成度.....。
この事実って発売当時も巷ではあまり触れられなかったし、イマイチ話題にもならなかったんで、僕としてはさびしいかぎりなんですが、“Masterpiece〜”というアルバムの内容の「高度な音楽性」たるや、ここ10年間のR&Bレコード群の中でも間違いなくトップでしょうな。
かなしいかなEn Vogueとしてはまったく売れないアルバムに終わっちゃいましたが、昨今カニエ・ウエストが売り出し中のミリ・ベン・アリ(ヴァイオリニスト)あたりが売れてくれれば、再評価されるかもしれません。
こういう音楽性の高いガールズ・グループって、じつは本当にあらわれないんですね。ま、いろんな理由がありますが.....。
裏を返せば、長続きするガールズ・グループってのは、かぎりなく音楽性を低くするしかないってことなのか〜(笑)。 |