今も絶大なる影響力を誇る伝説のバンド、ドアーズ! 冒頭からいきなり手前味噌な話で申し訳ないけど、ザ・ドアーズは個人的オールタイム・フェイバリットなロック・バンドだ。今年で開催16周年を迎えたDJロック・クラブ・イベント、GrindHouse nightでの自分の最終セットのクロージング・チューンを毎回「The End」にしているのも、その表れだ。改めて言うまでもなく、ザ・ドアーズは不世出の伝説バンドだ。'72年7月3日、カリスマ・フロントマンのジム・モリソンがフランスはパリのアパートのバスルームで心臓発作で27年という短い生涯を終えたことが原因で、バンドは5年なる、これまた短期の活動にピリオドを打たざるを得なかった。だけど実質的な活動期間は5年弱にもかかわらず、『The Doors』(邦題:『ハートに火をつけて』/'67年)、『Strange Days』(邦題:『まぼろしの世界』/'67年)、『Morrison Hotel』('70年)など6枚の作品を残すなど音楽活動に貪欲で多作だった。「Light My Fire」(邦題:「ハートに火をつけて」)、「Hello, I Love You」「Riders On The Storm」「L.A.Woman」「Touch Me」「Roadhouse Blues」「Love Street」「The End」とヒットしたしないにかかわらず、とにかく“名曲”“佳曲”、そして“親しみが湧く、身近な曲”が数多く、後世のあらゆる分野に絶大な影響を及ぼした。マイ・ケミカル・ロマンスのジェラルド・ウェイ(vo)がザ・ドアーズからの影響を認め(新作『The Black Parade』でハッキリと見て取れる)、今月発売のインダストリアル・ミュージック界の大御所、ミニストリーの最終作『The Last Sucker』で「Roadhouse Blues」がカヴァーされているのも、今もなお彼らの影響力が強いことを如実に物語っていると言えるだろう。
ザ・ドアーズの音楽はパンクを根っこに持ち、ややサイケでもあるロックと言われてきた。そのとおりながら、その一方でその枠に収まることなく、楽曲、音楽性がバリエーション豊かだったことも特筆に値する。もう1点、彼らの楽曲、音楽性には明るかろうがメロウだろうがなんだろうが、常に“殺気”“切迫感”“狂気”というような特殊な雰囲気が潜んでいること。ベトナム戦争を題材にし、公開当時問題作と言われた映画『地獄の黙示録』(原題:『Apocalypse Now』/'79年)の冒頭部分に「The End」が使われているのだけど、映画のストーリー、描写などがはらんだ“狂気”と、その曲が内包した“狂気”が見事なまでに一致していた。若いリスナーにもぜひ、聴いてほしい伝説のアーティストだ。 |