スクリーモを脱し、メロディ&楽曲オリエンテッドな音楽性で 輝きを増したフューネラル・フォー・ア・フレンド
いわゆる“UKロック”というくくりにサウンド的にも、立ち位置的にも入らない、入れられないイギリス産ロック・バンドのなかでは本国はもちろん、アメリカでも、ここ日本でも評価も人気も高いのが、このフューネラル・フォー・ア・フレンドだ。本国の有力ラウド・ロック誌としてあまりに有名な『KERRANG!』に“Most Important New Rock Band On This Planet(=この地球上でもっとも重要な新人ロック・バンド)”と大絶賛された直後の2004年初頭に、『Casually Dressed & Deep In Conversation』でメジャー・デビューし、いきなり炸裂したウェールズ南部出身の5人組だ。
ハードコアの音楽的バックグラウンドを下敷きに、平行してエモーショナルかつメロディックなアプローチも前面に押し出した音楽スタイル――つまりアメリカで突如発生したスクリーモなる新音楽ジャンルに対するイギリスからの返答という見方をされていた、デビュー当初の彼ら。が、しかし、その後作品を重ねるたびに顕著な“脱スクリーモ姿勢”をあらわにし、発売されたばかりの通産3枚目の新作『Tales Don’t Tell Themselves』ではついにスクリーモの“スの字”も感じさせない、爽やかでよりメロディ&楽曲オリエンテッドな音楽性を聴かせている。作品を発売するごとに毎回きちっと来日公演を行っているのも彼らの特徴で、初来日が今となっては懐かしいソニックマニア04で、当然その後単独公演も敢行、Taste Of Chaos Tour 2005 JAPANにも参戦している、という具合だ。マット・デイヴィス(vo)とギャレス・デイヴィス(b)が“司令塔”で、事実メンバー5人のうち、その2人の人気がもっとも高い。
実は通算2枚目の『Hours』(2005年)にその“前兆”“予兆”は薄っすらながら確かにあったのだけど、新作でここまで潔くメロディ&楽曲重視路線を突っ走られると、さすがに驚く。絶叫パート、メタル&ハードコア的へヴィネス&エッジはほぼ皆無だ。徹底して爽やかで、透明感すら醸し出し、わかりやすく、聴きやすく、覚えやすいボーカル&メロディ&楽曲の三位一体的手法で勝負して来る。それに独自の輝き、響きがあるからこそ、説得力があり、これまでとは異なる存在感も味わわしてくれるのだ。実に良質なロック・アルバムだ。9月には再度の単独公演も決まっている。新作からの曲をライブで体感できるのが、今から楽しみだ。 |