アコースティックでも魅せる、コーンの美学 前々作『Take A Look In The Mirror』(2003年)で精彩を欠き、音楽的迷路に迷い込んでしまった感すらあったKORN――。ご存知のとおり、その後初ベスト盤『Greatest Hits Vol.1』(2004年)を出し、契約を満了、長年所属したEpic/Immortal Recordsを離れ(その後企画盤『Live & Rare』も発売)、一時期レーベル契約のない“宿なし状態”にまで陥った。その最中に苦楽をともにしてきたツイン・ギター・チームの1人、ブライアン・“ヘッド”・ウェルチが脱退、彼らは4人組となった。所属先もなく、かつKORNサウンドには欠かせないツイン・ギター隊も崩壊――一時はどうなることかと思ったけれど、さすがヘヴィ・ロック隆盛を引っ張り、後世に多大な音楽的影響を及ぼすなどいち時代を築き上げたバンドだ、Virginと前例のない破格の包括契約を交わし、ギターが1人しかいないことをむしろ逆手に取った、誰にも予想し得なかった、新しいKORNサウンドを持って、前作『See You On The Other Side』で完全復活したのは記憶に新しい。その仰天サウンドを披露した、昨春の単独来日公演のパフォーマンスもサポート・メンバーを4人迎えての、これまた予想だにしないビックリ仰天のものだった。過去にやったことを二度繰り返さず、ただひたすら前進、次のレベルへと上がるのみ――結成以来の確固たるマインド、アティテュードを彼らは再び見せつけたのだった。
そして2006年夏、久方ぶりにFamily Values Tourが復刻され、その模様がライヴCDとライヴDVDで『The Family Values Tour 2006』のタイトルで発売され、この『Unplugged』が続いた。轟音サウンドにメロディ性も併せ持つものの激しく歌われるヴォーカル、そしてスクリーミングが代名詞の彼らだけれど、完璧なまでにそれらがアコースティック・セット用にアレンジされ、美しく、ドラマティックに演じられ、披露されている。これまで我々が知らなかったKORNのまったく新しい音世界があり、ジョナサン・デイヴィスがきちっと歌えるヴォーカリストであることも自ら強く証明しているなど、新発見が満載のアコースティック・ライヴ盤だ。なかでもエヴァネッセンスのエイミー・リーとジョナサンがデュエットする「Freak On A Leash」と、レディオヘッドのカヴァー「Creep」は実に興味深い。『See You On The Other Side』に続く最新スタジオ録音盤(タイトル未定)は、いよいよ今年の夏には発売される予定だ。 |