オリジナル・メンバーで再始動!
プログレ・ファンのみならず幅広い層に親しまれたエイジア!
まさに偶然だ。今週は60年代から80年代にかけて活躍し、一世を風靡した、いわゆるベテラン・アーティストを取り上げ、その作品を紹介する週なのだけれど、その最中にオリジナル・メンバーで再始動したエイジアが来日し、東京、大阪での計6公演を瞬く間にソールドアウトにするという“老いてなお人気&評価高し状態”を引き起こしている。まさに凄いというか、さすがというか、である。
エイジアが傑作の誉れ高い『Asia』(邦題:『詠時感(エイジア)〜時へのロマン〜』でデビューしたのは’82年のこと。もう、25年前も前だ。モトリー・クルーやラットなどを勢いよく輩出するLAメタル・ムーヴメント炸裂前夜の時期と重なり、ロックが明るい広がりとキャッチーさをあらわにして、それまでとは打って変わって一気に市民権を得、“ポピュラーな音楽となり始める”頃だ。ロックが産業化/商業化した、とネガティヴな意味合いをはらんだ見方をする流れもあったけれど、こうした産業化/商業化があったからこそ、今現在のロックの隆盛や広がりがあると断言できる。そういう意味でもこの時期のエイジアのデビューは重要かつ大きく、プログレッシヴ・ロック側からがこのエイジアだとすると、ハード・ロック・サイドからは『Dawn Patrol』(‘82年)が大ヒットしたナイトレンジャーで、それぞれロックの産業化/商業化に大貢献した。
ジョン・ウェットン(vo,b/元キング・クリムゾン、ユーライア・ヒープほか)、スティーヴ・ハウ(g,vo/イエス)、カール・パーマー(ds/エマーソン・レイク&パーマー)、ジェフ・ダウンズ(key,vo/元バグルス、イエス)という布陣からしてあり得ないくらいに絢爛豪華で、当時「プログレ界のスーパー・ウルトラ・バンド誕生!!」と大騒ぎになったことは言うまでもない。その顔ぶれも凄まじかったけれど、同時に、イヤそれ以上に『Asia』の作風、サウンド、楽曲、メロディなどがまたすばらしかった。当時プログレという音楽には“陰鬱暗”のイメージが強く持たれていたけれど、透明感すら漂うメロディやハーモニー、そしてヴァイブなどがそのイメージを完璧に覆し、楽曲のよさも手伝い、プログレ・ファンも含めた幅広い層に親しまれ、支持された。とは言うものの、壮大な作風、起伏の激しい展開やプレイも随所に盛り込まれるなど、プログレ作としても満喫できる作品でもある。その巧妙なるバランス感が見事に吉と出たわけだ。今回の来日公演では、『Asia』収録曲の全曲が披露されている。
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