“起承転結性”を極めた、マイケミの新作 ロック界広しと言えど、またそこに星の数ほどのたくさんのバンドがいれど、今もっとも活動再開が望まれ、新作発売も待たれているのは、このマイ・ケミカル・ロマンスをおいてほかにいない。通算3枚目の新作『The Black Parade』。日本盤発売こそ12月だ。だけどすでに輸入盤で発売され、現在絶賛好セールスを継続中で、これで日本盤が発売されれば、間違いなく彼らはここ日本でも欧米同様に炸裂し、新たなロック・スター生誕への道をひた走る。来年2007年1月には4度目となる来日公演も決定している。
“マイケミ”の愛称/呼称で呼ばれる彼らは、アメリカは東海岸ニュージャー州ニューアーク産で、ジェラルド・ウェイ(vo)がフロントに立つ5人組だ。結成は2001年と言われるから、活動歴は今年でまだ5年とさほど長くない。メンバーが当時通っていたアートスクールで出会い、活動をスタート、2002年に『I Brought You My Bullets You Brought Me Your Love』(日本盤未発売)をインディー・レーベルのEyeball Recordsより発売し、デビューした。このEyeballはサーズデイのフロントマン、ジェフ・リックリィが運営に関わるレーベルで、同作のプロデュースもジェフが担当した。だけど彼らがグイッと頭角を現し、ヒットを記録したのは、その後メジャーのReprise Recordsに移籍し、通算2枚目の『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』を2004年に発売してしばらく経ってからだ。まず、イギリスで火がつき、シングル「I’m Not Okay(I Promise)」「The Ghost Of You」のMTVやラジオでのオンエアが後押しし、見事本国アメリカでも『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』がミリオンセラー以上になるなどしてプラチナ・ディスクに認定されたのだ。『The Black Parade』はそれに続く作品だ。
プロデューサーにグリーン・デイとの仕事であまりに高名なロブ・キャヴァロを起用し、きちっと“起承転結性”を極めたシアトリカルなコンセプト作に仕上がった。ザ・ペイシャント(患者)が主人公で、その主人公を死が迎えにやってくるというストーリーと、フックが強く、印象度の高いさまざまなタイプのロック・チューンが同時進行し、何度もクライマックスを演じつつ、最後に聴く者を完全にザ・ブラック・パレードの世界に引き込んでしまうという力作だ。間違いなく、今後長きにわたって語り継がれ、聴き続けられる作品となる。 |