“ウッドストック”で名を馳せた、アルヴィン・リー率いるテン・イヤーズ・アフター!
何たる偶然だろう、このコーナーの担当者より「次回取り上げるアーティストはこういうのでどうですか?」なるメールをもらい、挙げられていたいくつかのアーティスト名を見て驚いた。このテン・イヤーズ・アフター(以下TYFと略す)の名があったのだ。その10日ほど前、自分はロサンゼルスに出張で滞在していた。海外に出たときに時間の合間を見つけてはCDショップ回りをするのが楽しみのひとつだけど、なぜかそういうときに必ず昔さんざん嗜んだアーティストの音楽が無性に聴きたくなり、ほぼ勢いでCDを購入することが多々ある。「今すぐ聴きたい」「この作品、そう言えばアナログ盤しかなくてCD持ってなかったな」というのが、その“理由づけ”だ(笑)。今回目に留まったのはClimax Blues Bandと、TYA。そして最後の最後まで迷い、結局購入したのはTYAのベスト盤『The Essential』(‘91年)だった。で、投宿先のホテルで早速聴き、大いに楽しみ、昔を懐かしんだ。そんなこともあり、今回は挙げられていたアーティストから問答無用のごとくTYAを選び、ここに紹介しているというわけだ。
本人には大変失礼だけど、自分にとってTYAはそのユニークな音楽性よりも、むしろアルヴィン・リー(vo,g)の“鬼のような形相でギターを弾く姿”の方が常々印象的だ。映画『ウッドストック』(‘70年)での10分に及ぶ「I’m Going Home」の“名演”“名形相”は、間違いなく同映画のハイライト・シーンのひとつだ。TYAは今から40年前の’66年にイギリス中部ノッティンガムで生誕した。当時はJaybirdsと名乗っていたもののその後TYAに改名し、翌’67年に今は亡きDeram Recordsより『Ten Years After』でデビューした。当初は鳴かず飛ばずの状況を味わうも、先のウッドストック出演を機に一気にその名や音楽を欧米に轟かせ、浸透させることに成功する。通算4枚目の『Ssssh』(‘69年)以降の作品群『Cricklewood Green』(‘70年)、『Watt』(‘71年)、『A Space In Time』(‘72年)、『Rock’ n Roll Music To The World』(‘72年)辺りがTYAの成熟期にあたり、ソウル、ブルース、R&Bをベースとしたロックンロールを信条とするも、ジャズ的な展開も積極的に取り入れるなど実験的な試みも好んだバンドだった。もちろん、アルヴィンによるねちっこい速弾きプレイも聴きどころのひとつだ。‘74年に『Positive Vibrations』を最後に解散してしまうけど、’89年にはオリジナル布陣で再結成されている。
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