“スカパンク/スカコア界の顔役”から、よりポップなフィールドに!
今からもう10年以上前の話。ニルヴァーナ、パール・ジャム、アリス・イン・チェインズらの活躍により火がついたグランジ/オルタナティヴ・ロックがムーヴメント化し、社会現象にまでなった後に落ち着き始めた90年代中盤のこと。次なるロック・ムーヴメントとして頭をもたげ、注目、人気を急速に集めていたのが、俗に言う“パンク・ロック・リバイバル”、日本で言うところの“メロコア・ブーム”だった。その先頭をひた走り、後続を引っ張っていたのがグリーン・デイ、オフスプリング、ランシド、NOFXなわけだけど、オフスプリングの「What Happened To You?」、ランシドの「Time Bomb」の大ヒットがきっかけで、パンク・ロックやハードコアとスカをかけ合わせた音楽スタイル“スカパンク”“スカコア”も浮上し、人気を博した。それを機にその前からそのスタイルを信条としつつ、地道に活動していたバンドたちにスポットライトがあたり、頭角を現した。ヴードゥー・グロウ・スカルズ、バック・オー・ナインらがそうで、このレス・ザン・ジェイクはマイティ・マイティ・ボーストーンズと並んで“スカパンク/スカコア界の顔役バンドのひとつ”と言われ、当時シーンで相当幅を効かせていた。
アメリカは南部フロリダ州ゲインズヴィル産で、’92年結成ゆえ今年で14年目突入の、もうベテラン選手だ。インディー・レーベルを拠点とした活動からメジャーに昇格し、その後再度インディー・レーベルに出戻り、それからまたメジャーに復帰するというユニークな活動歴を持ち、7インチ・シングル発売数多、コンピ作参加多数、フル作発売たくさんと“多作バンド”だ。なかでも『Losing Streak』(‘96年)、『Borders & Boundaries』(2000年)は、“スカパンク/スカコア界の名盤”としてその手のファンに今もなお親しまれている。
この『In With The Out Crowd』は前作『Anthem』(2003年)に続く、メジャーのSire Records復帰第2弾作品だ。前作同様、スカパンク/スカコア色は以前と比べるとだいぶ希薄になっていて、洗練された超ポップ・チューン「The Rest Of My Life」に挑戦するなど、ホーンをフィーチャーしたポップ・ロックにより磨きがかかっている。もはやパンク・ロック的な性急性やエッジや緊迫感みたいなものもかなり抑えられている。10月に再来日する彼らだけど、その前にぜひ聴いておきたい作品だ。彼らのライヴ、“FUN”テンコ盛りの非常に楽しいものだ。
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