ラウド・ロックの重量感とメロウな持ち味、これが“フーバスタンク節”! 今やここ日本でもすっかり人気者となったフーバスタンク。先日、東京オンリーのスペシャル・プレミアム・ライヴのため通算5度目の来日を果たしたばかりだけど、そのチケットが数分でソールド・アウトになったほどの加熱状態だ。そんな彼らの、5月に発売になったばかりの新作『Every Man For Himself』(邦題:『欲望』)を早くも取り上げる。自主制作で発売し、今では完全絶版状態となっている事実上のデビュー作『They Sure Don’t Make Basketball Shorts Like They Used To…』(‘98年)を含めると、通算4枚目の作品となる。
2003年発売の前作『The Reason』のタイトル曲で、珠玉のメロウ・チューンである「The Reason」の大ヒットで人気や評価を不動のものとした彼らだけど、その作品の発売に伴うツアーの後半に“大の親日家”として有名なフィンランド人のマークー・ラパレイネン(b)が性格的な違い、音楽的方向性の相違を理由に脱退した。よって、この新作はダグラス・ロブ(vo)、ダン・エストリン(g)、クリス・ヘッセ(ds)というお馴染みの3人のままで主にレコーディングされ、ベースはポール・ブッシュネルなる人物と、再結成ジェーンズ・アディクション〜THE PANIC CHANNELのクリス・チェイニーの2人が弾き分けた。プロデューサーは前2作同様、ハワード・ベンソンだ。これまでにゼブラヘッド、P.O.D.、マイ・ケミカル・ロマンスほかとの仕事で実に高名な大御所だ。
ポップ・ミュージックと聴きまがうほどのわかりやすさ、入りやすさ、聴きやすさに優しさ、そして独特のキャッチー感と、ラウド・ロック風のエッジに重量感の“実に塩梅のいい共存共栄具合”が、いわゆる“フーバスタンク節”なわけだけど、それがこの新作ではさらに磨きがかかり、より幅広くなり、深みも増している。いかにもフーバスといった感じのアップ・テンポなナンバー「Born To Lead」「Without A Fight」をはじめ、物悲しいメロディが振り幅激しく聴く者を刺激する「Moving Forward」「The First Of Me」、ロックンロール・チューン「Look Where We Are」、1stシングル曲でソフトなバラード・チューン「If I Were You」、ホーンやアコーディオンをフィーチャーした革新的ナンバー「More Than A Memory」と、インパクトの強い楽曲がズラリと並ぶ。今夏のサマソニへの出演も決まった。ライヴを観る前にぜひ、聴いてほしい作品だ。 |