
70年代から80年代に掛けて活躍し、一世を風靡したアーティストと、現在のロック・シーンの最先端に立ち、精力的に活動する、まさに“今が旬”の若手アーティストを交互に取り上げ、紹介している。前回が前者のキリング・ジョークだったので、今回は後者のシンプル・プランの通算2枚目の新作『Still Not Getting Any...』をピックアップした。
シンプル・プランは先日フジロック出演で通算5度目の来日を果たしたばかりと、日本でもすっかり人気者だ。カナダはモントリオール出身の、ややパンクがかったロック・バンド5人組で、メロディよし、曲よし、サウンドよし、ルックスよし、キャラよし、ライブ楽しの“三拍子揃った”ならぬ“六拍子揃った”実に魅力的な存在。ルックスよしのところがやや先行している分、“アイドル・バンド視”されがちなところもあるけど、本作を聴けば分かる通り、彼らは耳の肥えたファンからも認められ、支持される本格的ロック・バンドへと着実に成長、進化しつつある。
デビュー作『Simple Plan』('02年)は、SUM 41やメストの当時の作品と共に“ヤンジェネ・パンク・ロック・ムーブメント”を引き起こし、大炸裂させた、とても貢献度の高い作品となった。いきなり日本で15万枚以上売れ、ゴールド・ディスクにも認定された。そのデビュー作と、本作を比べると、特にメロディ&楽曲力、演奏力に格段の進化、成長の跡が見られ、説得力もグッと増している。ライブで大盛り上がり必至で、クラウド・サーフィンすら起こすこと間違いなしのアップ・テンポなアゲアゲ・チューン「Shut Up!」「Thank You」「Jump」もナイスだけど、メロウな1stシングル「Welcome To My Life」や、お涙ちょうだい的マイナー・チューン「Perfect World」「Me Against The World」「One」「Untitled」もいい、と佳曲が目白押しだ。「Untitled」はリズムレスの、ピエール・ブーヴィエの歌い上げ系ボーカルとピアノとストリングスを主体としたドラマチックな曲で、そのあまりに大仰極まりないコテコテ感がたまらない、逆に斬新、新鮮だったりする。エアロスミスやメタリカほかとの仕事で著名なプロデューサー、ボブ・ロックを起用した“賜物”だろう。その曲からも、彼らが本作で次のレベルに到達しようとしたことが十二分に窺える。 |