
今回は再びみんなを“昔”へと誘い、25年前に遡っていただくことにする。パンク・ロック、ニュー・ウェーブ、ゴス、ロックなどを混在させた、まったく独自の音楽をクリエイトし、作品を重ねる度にファンをアッと言わせ続けたキリング・ジョークの、1980年発売の記念すべきデビュー・アルバム『KILLING JOKE』を取り上げた。
'78年にイギリスで、ジャズ・コールマン(vo)、ケネス・“ジョーディー”・ウォーカー(g)、マーティン・“ユース”・グローヴァー(b)、ポール・ファーガソン(ds)という顔ぶれで結成された4人組で、翌'79年にEP『ALMOST RED』(日本盤未発売)でデビュー。イギリス国営放送局BBCが同EP収録曲をラジオなどで精力的にオンエアしたことから話題になり、注目を集め、E'G Recordsと契約、この『KILLING JOKE』で、まさに衝撃的なアルバム・デビューを飾ったのだった。
彼らの音楽は、当時パンク・ロックでもなければニュー・ウェーブでもない、かと言ってハード・ロックでもまったくない、非常に独創的なもので、始終ダークで冷徹でノイジーで革新的ですらあった。おそらく、的確なジャンル分けが困難を極めたんだろう、その頃の時代背景やロック・シーンの流れを汲んで、“ポスト・パンク”なる表現を用いて語られ、紹介されることも多々あった。その後作品毎に、時に微妙に、時に大胆にその音楽を進化、変化、発展させていくことになるのだけれど、このデビュー・アルバムと、続く'81年発売の2枚目のフル・アルバム『リーダーに続け!/WHAT'S THIS FOR』は、“名作”とか“代表作”とかとして後世に語り継がれている、言わば“必聴作”だ。
また、彼らが後のメタルやヘビー・ロック勢に多大な影響を及ぼし、ナイン・インチ・ネイルズやミニストリーなどの活躍で市民権を得たインダストリアル・ミュージックと直結していることも、見逃せない大事なポイントだ。「The Wait」はメタリカがカバーしたし、ヘルメットのペイジ・ハミルトンの歌唱法はもろジャズのそれの直系下にあるものだし、この冷徹性、ダーク性などはインダストリアル・ミュージックのそれに非常に近いものだ。途中、何度も紆余曲折を経て、メンバー・チェンジを経験しつつも今なお現役続行中の彼らは、9月に2年ぶりとなる新作を発売する予定だ。今回はどんな音楽を聴かせてくれるんだろうか。楽しみだ。 |