総合TOP > リコメンドインデックス > 音楽と人 POWER PUSH!! > 08/04/23 Base Ball Bear
このバンドは高校の文化祭ライブから始まっている。ボーカル&ギターの小出祐介、ギターの湯浅将平、ドラムの堀之内大介は同級生、そしてベースの関根史織は3人の1学年後輩だ。彼らにはもう何度も取材してきたけれども、取材でも、楽屋でも、そしてライブでも4人は本当に楽しそうだ。場所を問わずに絶えず飛び交う冗談と笑い声は、まさに楽しい放課後の雰囲気。そしてその雰囲気は、彼らの鳴らすポップなギター・ロックにぴったりとハマっているのだった。実に青春的なバンドであると言える。 青春的であるという意味で、昨年12月に彼らがリリースしたメジャー2ndアルバム『十七歳』は、究極的な作品だ。アルバムタイトルからして青春している。収録されている楽曲も、まさに青春である。4人の雰囲気そのままの、ワイワイガヤガヤとした楽しい気分になれる曲もあるし、恋の甘酸っぱさが詰まった曲もあるし、青春時代にしかすごせない夏のあの空気感をパッケージした曲もある。こう書くだけでも見事に、充分に青春してるアルバムだということはわかってもらえると思うが、小出祐介はさらに踏み込んで青春を鳴らしている。 自身が10代で実際に経験した孤独や焦燥感も、このアルバムには込められている。彼はインタビューで、自身の10代は友達とワイワイやって楽しんだ日々もあれば、1日誰とも話をしないような孤独に苦しんだ日々もあったと語った。 このアルバムの最後を飾るのは「気付いてほしい」というタイトルの楽曲である。その中で彼はこう歌っている。〈気付いてほしい みんなに いま / 紛れてみたい その輪の中 認めてほしい 僕のことを〉。切ない叫びである。 青春的なバンドはたくさんいる、青春的な作品を作るバンドもたくさんいる。しかし、ここまで赤裸々に、痛みと輝きに満ちた、青春そのものみたいなアルバムを作ったバンドはそうはいない。そう、『十七歳』というアルバムは、過去・現在・未来…どこに属するかはあなた自身の年齢と感覚によるだろうけれど、間違いなくあなたの青春でもある。 補足。この作品を引っさげて彼らはツアーを行なった。ライブ終盤、多くのベースボールベアを愛するお客さんに囲まれながら、彼はお客さんとともに、とても楽しそうに「気付いてほしい」を歌っていた。アルバムでは切ない、あまりにも切ない曲であったのだが、ライブでのこの楽曲はそうではなかった。彼は自らをさらけ出してアルバムを作ることで、過去の孤独な自分をこうして救ったのだった。 柳憲一郎
それはあなたの青春そのもの
このバンドは高校の文化祭ライブから始まっている。ボーカル&ギターの小出祐介、ギターの湯浅将平、ドラムの堀之内大介は同級生、そしてベースの関根史織は3人の1学年後輩だ。彼らにはもう何度も取材してきたけれども、取材でも、楽屋でも、そしてライブでも4人は本当に楽しそうだ。場所を問わずに絶えず飛び交う冗談と笑い声は、まさに楽しい放課後の雰囲気。そしてその雰囲気は、彼らの鳴らすポップなギター・ロックにぴったりとハマっているのだった。実に青春的なバンドであると言える。
青春的であるという意味で、昨年12月に彼らがリリースしたメジャー2ndアルバム『十七歳』は、究極的な作品だ。アルバムタイトルからして青春している。収録されている楽曲も、まさに青春である。4人の雰囲気そのままの、ワイワイガヤガヤとした楽しい気分になれる曲もあるし、恋の甘酸っぱさが詰まった曲もあるし、青春時代にしかすごせない夏のあの空気感をパッケージした曲もある。こう書くだけでも見事に、充分に青春してるアルバムだということはわかってもらえると思うが、小出祐介はさらに踏み込んで青春を鳴らしている。
自身が10代で実際に経験した孤独や焦燥感も、このアルバムには込められている。彼はインタビューで、自身の10代は友達とワイワイやって楽しんだ日々もあれば、1日誰とも話をしないような孤独に苦しんだ日々もあったと語った。
このアルバムの最後を飾るのは「気付いてほしい」というタイトルの楽曲である。その中で彼はこう歌っている。〈気付いてほしい みんなに いま / 紛れてみたい その輪の中 認めてほしい 僕のことを〉。切ない叫びである。
青春的なバンドはたくさんいる、青春的な作品を作るバンドもたくさんいる。しかし、ここまで赤裸々に、痛みと輝きに満ちた、青春そのものみたいなアルバムを作ったバンドはそうはいない。そう、『十七歳』というアルバムは、過去・現在・未来…どこに属するかはあなた自身の年齢と感覚によるだろうけれど、間違いなくあなたの青春でもある。
補足。この作品を引っさげて彼らはツアーを行なった。ライブ終盤、多くのベースボールベアを愛するお客さんに囲まれながら、彼はお客さんとともに、とても楽しそうに「気付いてほしい」を歌っていた。アルバムでは切ない、あまりにも切ない曲であったのだが、ライブでのこの楽曲はそうではなかった。彼は自らをさらけ出してアルバムを作ることで、過去の孤独な自分をこうして救ったのだった。
柳憲一郎