総合TOP > リコメンドインデックス > 音楽と人 POWER PUSH!! > 07/10/24 スクービードゥ
ロックは、その誕生のときから常に黒人音楽からの刺激を受け続けてきた。そして、これまでロックを進化/深化させてきた偉大なる先達たちがそうだったように、黒人音楽からの得たパッションをサウンドにほとばしらせ、ここ日本という島国で熱きファンクネスを炸裂させロックンロールしている、そんなバンドがいる。彼らの名は、スクービードゥ。 95年に、ほぼすべてのソングライティングを手がけるギタリスト・マツキタイジロウが、幼馴染であるコヤマシュウ(ボーカル)を誘ったことから始まり、2001年に現在の4人となって制作された2ndアルバム『ビーチパーティ』(これ初期スクービーの名盤といえる作品。要チェック!)をひっさげて、全都道府県ツアーを敢行するなど、生粋のライブバンドでもある。暑苦しさ寸前の熱情と、グラマラスな色気が渾然一体となって生み出すグルーヴが、フロア全体を巻き込んでいく…そんな圧倒的なステージは、ぜひロック好きなれば一度は体験すべきものだと思う。また2002年には、コンパクトアルバム『GET UP』でメジャーデビューを果たし、精力的なライブ活動を行いながら、コンスタントに作品を重ねてきた。 そして2007年。自らのレーベル〈CHAMP RECORDS〉を立ち上げ、録音技師=サウンドエンジニアに、ZAZEN BOYSの向井秀徳を迎えて制作した、この6曲入りミニアルバム『トラウマティック・ガール』だ。 イントロから一気に高揚させられてしまうタイトルチューン「トラウマティック・ガール」をはじめ、音の隙間とそこに流れる緊張感がスクービードゥのサウンドに新たな感覚をもたらした向井秀徳とのコラボレーションナンバー「ROPPONGI」など、どれもハイテンション、ハイエナジーな楽曲たち。ミニマムに反復されるファンクなリズムと、時にメロウでスウィートに、時に爆発的なパワーでもって炸裂するメロディとコヤマの歌声。そもそも若者のダンスミュージックとしての側面もあったロックンロールを、かつてないほどストレートに鳴らしている。ギターのマツキいわく「ロックを志すものとしては、これを浴びずに死ねるかっていうような魅力的なサウンド」を生み出すという、向井所有のMATSURIスタジオでの作業と、同じミュージシャンでもあるエンジニア・向井との化学反応。そして両者の持つファンクネスとロックンロール魂の共鳴によって、スクービードゥのコア=核が開陳され、人と人との繋がりや、ぶつかりあいから生まれるバンドサウンドが最良の形で記録された1枚なのだ。また、彼らが常に日頃から口にしている〈ロックとファンクの最高沸点〉が、見事に結実したともいえる作品となっている。 これまで活動していたフィールドから、新たなステージへと向かうにあたり、様々な葛藤や決断があったことだろう。けれど、向井との出会いによって、彼らは最高のテンションで次への一歩を刻めたように思う。それは、この『トラウマティック・ガール』が雄弁に物語っている。 平林道子
『トラウマティック・ガール』
ロックは、その誕生のときから常に黒人音楽からの刺激を受け続けてきた。そして、これまでロックを進化/深化させてきた偉大なる先達たちがそうだったように、黒人音楽からの得たパッションをサウンドにほとばしらせ、ここ日本という島国で熱きファンクネスを炸裂させロックンロールしている、そんなバンドがいる。彼らの名は、スクービードゥ。
95年に、ほぼすべてのソングライティングを手がけるギタリスト・マツキタイジロウが、幼馴染であるコヤマシュウ(ボーカル)を誘ったことから始まり、2001年に現在の4人となって制作された2ndアルバム『ビーチパーティ』(これ初期スクービーの名盤といえる作品。要チェック!)をひっさげて、全都道府県ツアーを敢行するなど、生粋のライブバンドでもある。暑苦しさ寸前の熱情と、グラマラスな色気が渾然一体となって生み出すグルーヴが、フロア全体を巻き込んでいく…そんな圧倒的なステージは、ぜひロック好きなれば一度は体験すべきものだと思う。また2002年には、コンパクトアルバム『GET UP』でメジャーデビューを果たし、精力的なライブ活動を行いながら、コンスタントに作品を重ねてきた。
そして2007年。自らのレーベル〈CHAMP RECORDS〉を立ち上げ、録音技師=サウンドエンジニアに、ZAZEN BOYSの向井秀徳を迎えて制作した、この6曲入りミニアルバム『トラウマティック・ガール』だ。
イントロから一気に高揚させられてしまうタイトルチューン「トラウマティック・ガール」をはじめ、音の隙間とそこに流れる緊張感がスクービードゥのサウンドに新たな感覚をもたらした向井秀徳とのコラボレーションナンバー「ROPPONGI」など、どれもハイテンション、ハイエナジーな楽曲たち。ミニマムに反復されるファンクなリズムと、時にメロウでスウィートに、時に爆発的なパワーでもって炸裂するメロディとコヤマの歌声。そもそも若者のダンスミュージックとしての側面もあったロックンロールを、かつてないほどストレートに鳴らしている。ギターのマツキいわく「ロックを志すものとしては、これを浴びずに死ねるかっていうような魅力的なサウンド」を生み出すという、向井所有のMATSURIスタジオでの作業と、同じミュージシャンでもあるエンジニア・向井との化学反応。そして両者の持つファンクネスとロックンロール魂の共鳴によって、スクービードゥのコア=核が開陳され、人と人との繋がりや、ぶつかりあいから生まれるバンドサウンドが最良の形で記録された1枚なのだ。また、彼らが常に日頃から口にしている〈ロックとファンクの最高沸点〉が、見事に結実したともいえる作品となっている。
これまで活動していたフィールドから、新たなステージへと向かうにあたり、様々な葛藤や決断があったことだろう。けれど、向井との出会いによって、彼らは最高のテンションで次への一歩を刻めたように思う。それは、この『トラウマティック・ガール』が雄弁に物語っている。
平林道子