総合TOP > リコメンドインデックス > 音楽と人 POWER PUSH!! > 07/09/26 THE MAD CAPSULE MARKETS
1997年に発表された本作『DIGIDOGHEADLOCK』は彼らが国内のみならず海外においても高く評価されるバンドとなる上での足がかりとなった作品であり、洋楽ファンと邦楽ファンの溝を埋めるきっかけの一枚でもある。 本作はリリース時、音楽性の斬新さゆえさまざまな表現で語られたのだが、その中でも最も分かりやすい呼称は「デジタル・ハードコア」だろう。具体的に言えばそれはサンプリングされた音と生の演奏を同期させたロックである。ブレイクビーツ(シーケンサーによってドラム演奏を作成したデジタル音)に乗って疾走するロックは、ハーコアが持つ攻撃性とテクノミュージックの実験性や知性を併せ持つバンドとして新たに認知された。 当時海外のロック・シーンではいわゆる「デジタル・ロック」や「ビッグビート」と呼ばれるテクノとロックを融合した音楽が注目され始めた頃。そして本作とほぼ同時期にProdigyがリリースした「The Fat Of The Land」の大ブレイクをきっかけに、欧米でもサンプリングを同期させたロックミュージックがシーンを席巻していた。そんな時代の流れを予見したかのような本作はインパクト絶大だったのだろう、当時このアルバムのセールスプロモーションは主に洋楽ファンに対して積極的に行われていた。もともとマッド・カプセル・マーケッツは、スターリンに大きな影響を受けたパンク・バンドとして日本でもごく一部のシーンで支持を受けていたのだが、本作を機に洋・邦の垣根を越え認知されるだけでなく、彼らは以降の作品では海外を視野に入れた活動を展開していくことになる。 そんな彼らが残した最も大きな功績は、2002年のオズ・フェストのメイン・ステージでの出演。彼らの進出を機に、日本のロックバンドは積極的に海外フェスに進出するようになっていく。このように、本作によって日本のロックバンドが海外のバンドに引けをとらないクオリティとオリジナリティがあることを証明するだけでなく、日本のロックを世界的見地で底上げしたのは間違いない。10年経った今でも本作は色あせることなく新しいロックを提示した存在感をまとっていることをぜひ自身の耳で確かめて欲しい。ちなみに現在バンドは活動停止中でメンバー各々が独自に活動しているが、その中でもKYONO(ボーカル)と難波浩之(ULTRA BRAiN)によって始動したばかりのプロジェクト、WAG DUG FUTURISTIC UNITYの新曲「ILL MACHINE」は本作からの流れを汲む音楽性を感じることができる。 樋口靖幸
きっかけとなった海外でも高評価の一枚
1997年に発表された本作『DIGIDOGHEADLOCK』は彼らが国内のみならず海外においても高く評価されるバンドとなる上での足がかりとなった作品であり、洋楽ファンと邦楽ファンの溝を埋めるきっかけの一枚でもある。
本作はリリース時、音楽性の斬新さゆえさまざまな表現で語られたのだが、その中でも最も分かりやすい呼称は「デジタル・ハードコア」だろう。具体的に言えばそれはサンプリングされた音と生の演奏を同期させたロックである。ブレイクビーツ(シーケンサーによってドラム演奏を作成したデジタル音)に乗って疾走するロックは、ハーコアが持つ攻撃性とテクノミュージックの実験性や知性を併せ持つバンドとして新たに認知された。
当時海外のロック・シーンではいわゆる「デジタル・ロック」や「ビッグビート」と呼ばれるテクノとロックを融合した音楽が注目され始めた頃。そして本作とほぼ同時期にProdigyがリリースした「The Fat Of The Land」の大ブレイクをきっかけに、欧米でもサンプリングを同期させたロックミュージックがシーンを席巻していた。そんな時代の流れを予見したかのような本作はインパクト絶大だったのだろう、当時このアルバムのセールスプロモーションは主に洋楽ファンに対して積極的に行われていた。もともとマッド・カプセル・マーケッツは、スターリンに大きな影響を受けたパンク・バンドとして日本でもごく一部のシーンで支持を受けていたのだが、本作を機に洋・邦の垣根を越え認知されるだけでなく、彼らは以降の作品では海外を視野に入れた活動を展開していくことになる。
そんな彼らが残した最も大きな功績は、2002年のオズ・フェストのメイン・ステージでの出演。彼らの進出を機に、日本のロックバンドは積極的に海外フェスに進出するようになっていく。このように、本作によって日本のロックバンドが海外のバンドに引けをとらないクオリティとオリジナリティがあることを証明するだけでなく、日本のロックを世界的見地で底上げしたのは間違いない。10年経った今でも本作は色あせることなく新しいロックを提示した存在感をまとっていることをぜひ自身の耳で確かめて欲しい。ちなみに現在バンドは活動停止中でメンバー各々が独自に活動しているが、その中でもKYONO(ボーカル)と難波浩之(ULTRA BRAiN)によって始動したばかりのプロジェクト、WAG DUG FUTURISTIC UNITYの新曲「ILL MACHINE」は本作からの流れを汲む音楽性を感じることができる。
樋口靖幸