ホーム > 特集 > リコメンド > 音楽と人 > 07/01/17 フラワーカンパニーズ |
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フラワーカンパニーズ『世田谷夜明け前』 2004 Release ダウンロード価格 アルバム \1,800 トラック 各\150(共に税込) |
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今回は、椿屋四重奏とムック。まったくの異種格闘技戦に思われるかもしれないが、どちらも日本のロックにこだわり、シーンに染まらず、オリジナルを貫くスタイルは一緒。このガチンコ勝負が生んだ、圧倒的なライブの模様をお届けします。ラストではフロントマンが共演してのアコースティック・セッションも実現!
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フィッシュマンズのアルバムに『宇宙 日本 世田谷』という作品がある。97年に発表され、今もなお若い世代のバンドを中心に大きな影響を与えている日本のロック名盤の1枚なわけだが、ここに同じく〈世田谷〉という言葉がタイトルにつけられた名盤がある。
高校時代の友人が集まって名古屋にて結成された4人組、フラワーカンパニーズ。略してフラカン。メンバーチェンジもなく、2007年で結成18年目を迎える彼らが2004年に発表したアルバム『世田谷夜明け前』が、それだ。60、70年代のロックに造詣の深いメンバーの指向性を随所にちりばめたストレートなロックンロール・サウンドに、張り裂けんばかりの声で、素っ裸な言葉を発するボーカル・鈴木圭介の〈歌〉が、まっすぐに聴き手の心に響いてくる─そんなフラワーカンパニーズという名の音楽が持つ魅力が、余すところなく収められている1枚である。
フラカンは、95年のデビューから約7年間のメジャー生活ののちに、2002年よりインディーでの活動にシフトしていく。だが、そこからのバンドのポテンシャルの高まりは、まさに遅咲きの…というべきか(失礼!)。2006年には、ニュー・アルバム『脳内百景』(こちらも全曲高濃度のフラカン節が詰まった必聴の作品!)をリリースし、SHIBUYA-AXでのワンマン公演を満員御礼で大成功させ、ここにきて過去最高の充実度をみせているフラワーカンパニーズ。そんなバンドの勢いを加速させたのは、この『世田谷夜明け前』ではないかだろうか。
“青春ごっこを今も 続けながら旅の途中”というフレーズから、ぐっと胸をすくわれる冒頭のナンバー「深夜高速」。メンバー全員30代後半に差し掛かってもなお、機材車一台で全国各地を廻り、年間80本以上のライブを行なっている彼らにとっての日常の風景とリアルな思いが描かれた、いまやライブでも定番のロッカバラード。“感じることだけが全て 感じたことが全て”“生きててよかった そんな夜を探してる”とフレーズどれをとっても胸を震わせ続ける、そんな名曲「深夜高速」をはじめ、“青春という時代はいつになったら終わるんだろう”と、モラトリアムな思いを抱いて生きるオーバー30の人間には、痛いほど染み入るナンバーばかりが揃っている本作品。もちろん、今まさに自分探しをはじめたばかりの20代にもガツンとくるものだと思う。本当にまっすぐに心に届くフラワーカンパニーズのロックンロールは、世の中を変えるような救いの音楽でも、別世界にトリップさせてくれるようなものではないかもしれない。けれど、日々をどうにか過ごし生きている私たちに、明日に向かっていくためのちょっとした勇気を与えてくれる。圧倒的なライブパフォーマンスも含め、フラカンの世界にぜひ触れてみて欲しい。人間の爆発的パワーを漲らせて、よっさほいのほい!とご陽気にロックしながらも、時にやさしく、時にせつなく、魂の音楽がここにはあるのだから。
平林道子