総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 音楽と人 POWER PUSH!! > 06/03/08UP TH eROCKERS
TH eROCKERS 『バーストシティ(爆裂都市) オリジナルサウンドトラック』 ダウンロード価格 トラック 各\200(税込)
01.ソルジャー >>試聴 02.セルナンバー 8(第8病棟) >>試聴 03.ワイルド・スーパーマーケット >>試聴 04.シャープシューズでケリ上げろ! >>試聴 05.プア ボーイ >>試聴 06.ソロー >>試聴 07.シスターダークネス >>試聴 08.視界ゼロの女(マチ) >>試聴 09.キックス >>試聴 10.マイトガイ >>試聴 11.バチラスボンブ(細菌爆弾) >>試聴 12.フラストレーション >>試聴 13.ボロボロ >>試聴 14.セルナンバー 8(第8病棟) リプリーズ >>試聴 アーティスト詳細へ
これは映像も含め、日本のロックにとってバイブルとでも言うべき作品だ。 石井聰亙監督によるこの映画は1982年に公開。もう25年も前になる。近未来の街を舞台に描かれたモノクロの映像で、ゼロヨンレース(注:改造車やバイクによるチキンレース)やロックの衝動の中に、若者の狂気や欲望を描いた。ここには、今見てもとんでもないテンションが渦巻いている。 石井監督はこの作品に、当時の日本で勃興していたロック・ムーブメントから俳優をキャスティングした。福岡・北九州から生まれつつあったいわゆる<めんたいビート>。そして東京で話題になっていた初期パンクロックシーン。そこで活動中の、まだ一般には無名なバンドマンたち。彼らが持つリアルな衝動を求めたのであろう。福岡からTh eROCKERSの陣内孝則、鶴川仁美。そしてTHE ROOSTERSの大江慎也、池畑潤二。東京からザ・スターリンの遠藤ミチロウ、INUの町田町蔵(現、町田康)、泉谷しげるといった面々。映画の中では架空のバンド<バトル・ロッカーズ>が演奏中に、<マッド・スターリン>の殴りこみに遭う。これは<福岡>と<東京>というロック・シーン内の意識を映像に盛り込んだものだ。それがよりリアルさを与えていた。 このサントラはそんな疾走感を内包したロックであふれかえっている。とにかくテンションが高い。閉塞した中で溜まっていくフラストレーションを叩きつける。バトルロッカーズ名義の6曲は、大江とTh eROCKERSの谷信雄によるもの。その楽曲で大江と陣内がハモっているのだから、めんたいビート好きとしては涙モノ。また<1984>という名義によるインスト・ナンバーは「ソルジャー」が池畑、「ソロー」が井上富雄、「キックス」が花田裕之というクレジット。そう、大江抜きのTHE ROOSTERSによるものだ。主題歌であった「視界ゼロの女(まち)」は陣内のソロ第一弾シングルとして発表されたもので、どれもあの時代の息吹を確かに伝えている(ちなみに作詞は泉谷)。 また「セルナンバー8(第8病棟)」や「バチラスポンプ(細菌爆弾)」といった楽曲は、もはや日本のパンクのトラディショナル・ソングと言っても過言ではない。最近ではBUCK-TICKの今井寿によるユニット、Lucyがライブおよびアルバムでもカバーしていた。そして何よりこの曲たちは、今にも暴発しそうなテンションの熱を失っていないのだ。<爆裂都市>というフィクションの中だったからこそ、ロックに求めた理想の姿が描かれ、そして残ったのかもしれない。 誰もが持っているはずのこういった衝動を、今の時代ではあまり感じることがない。内に籠もるのではなく、こういう形で吐き出される圧倒的な楽曲を、もっと聴きたいものだと思う。