総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 音楽と人 POWER PUSH!! > 05/12/14UP 矢野絢子
01.てろてろ >>試聴 02.夕闇 >>試聴 03.ゼンマイ仕掛け >>試聴 04.嘘つきの最期 >>試聴 05.わかれ >>試聴 06.ニーナ >>試聴 07.ひとさじ >>試聴 08.レモンスライスほおばって >>試聴 09.ソリダスター >>試聴 10.闇の現 >>試聴 11.かなしみと呼ばれる人生の優しさよ >>試聴 12.坊や >>試聴 13.ナイルの一滴 >>試聴 アルバム詳細へ アーティスト詳細へ
彼女の歌を聴いた瞬間、冗談抜きにぶっ飛んだ。確か「てろてろ」と「ニーナ」そして「1人の歌」(注:2005年10月12日リリース『窓の日』収録)だったと記憶している。まだラフ音源だったそれは、彼女が活動する地元高知の<歌小屋の2階>というライブハウスで録音されたものだと聞いた。そしてそのライヴハウスは、20人も入ればいっぱいになる、彼女とその仲間たちが作った場所であることも。はじめて聴くその声、圧倒的な熱量、思いの強さ。今まで接してきたどのアーティストにもない、ワン・アンド・オンリーな存在感にあふれていた。 矢野絢子。実際に会ってみると、彼女はごく普通の女の子に見えた。ちょっとだけ、人と距離を置いて接してる、そんな感じはしたけれど、お互いを理解すれば、とても可愛い笑顔を向けてくれる。でもそんな彼女が、歌小屋の2階でピアノを前にして、息をすうっと吸い込んで唄い始めると、世界が音をたてて変わったのだ。彼女の歌と僕ひとり、それだけになった感覚。そしてそれは、何でそこにいるのかを問いかけてくるのだ。懐かしさや切なさ、ポップな部分ももちろんあるけれど、そのどこにも切実さがあふれているのだ。 もともとデビューしたかったわけじゃない。歌小屋の2階にグランドピアノが欲しくて、音楽コンクールに出場し、グランプリを獲得した。たぶん、それだけでよかった。だけどたまたまそこに審査員としていた人が放っておかなかった。その才能を聴かせようと努力した。その熱意と、高知の歌小屋の2階という場所で、こんな活動をしてる人たちがいることを知らせたくて、デビューすることになったのだ。 この『ナイルの一滴』はそのデビュー盤となる。レコーディングは東京で行なわれ、音は今までと違ってキレイに仕上がった。しかしどうあっても崩れないのが、彼女の歌の存在感だ。特に「わかれ」や「かなしみと呼ばれる人生の優しさよ」といった曲からは、人と人が生きていく中で感じる真実を感じることができる。誰もが違った思いで毎日を過ごし、誰一人として同じ人間なんていないのに、でもみんな幸せになりたいと思って生きている。だから彼女は、ひとり、を唄う。あなた、との間にある距離も、縮まらないその思いも、全部受け止めて歌にこめる。そんな切実な思いが伝わらないわけがないだろう。 今でも彼女の歌を聴くと、どこにいても僕はひとりになる。そしてこの世界に自分が生きていることを、心から感じることができるのだ。
彼女の歌を聴いた瞬間、冗談抜きにぶっ飛んだ。確か「てろてろ」と「ニーナ」そして「1人の歌」(注:2005年10月12日リリース『窓の日』収録)だったと記憶している。まだラフ音源だったそれは、彼女が活動する地元高知の<歌小屋の2階>というライブハウスで録音されたものだと聞いた。そしてそのライヴハウスは、20人も入ればいっぱいになる、彼女とその仲間たちが作った場所であることも。はじめて聴くその声、圧倒的な熱量、思いの強さ。今まで接してきたどのアーティストにもない、ワン・アンド・オンリーな存在感にあふれていた。
矢野絢子。実際に会ってみると、彼女はごく普通の女の子に見えた。ちょっとだけ、人と距離を置いて接してる、そんな感じはしたけれど、お互いを理解すれば、とても可愛い笑顔を向けてくれる。でもそんな彼女が、歌小屋の2階でピアノを前にして、息をすうっと吸い込んで唄い始めると、世界が音をたてて変わったのだ。彼女の歌と僕ひとり、それだけになった感覚。そしてそれは、何でそこにいるのかを問いかけてくるのだ。懐かしさや切なさ、ポップな部分ももちろんあるけれど、そのどこにも切実さがあふれているのだ。
もともとデビューしたかったわけじゃない。歌小屋の2階にグランドピアノが欲しくて、音楽コンクールに出場し、グランプリを獲得した。たぶん、それだけでよかった。だけどたまたまそこに審査員としていた人が放っておかなかった。その才能を聴かせようと努力した。その熱意と、高知の歌小屋の2階という場所で、こんな活動をしてる人たちがいることを知らせたくて、デビューすることになったのだ。
この『ナイルの一滴』はそのデビュー盤となる。レコーディングは東京で行なわれ、音は今までと違ってキレイに仕上がった。しかしどうあっても崩れないのが、彼女の歌の存在感だ。特に「わかれ」や「かなしみと呼ばれる人生の優しさよ」といった曲からは、人と人が生きていく中で感じる真実を感じることができる。誰もが違った思いで毎日を過ごし、誰一人として同じ人間なんていないのに、でもみんな幸せになりたいと思って生きている。だから彼女は、ひとり、を唄う。あなた、との間にある距離も、縮まらないその思いも、全部受け止めて歌にこめる。そんな切実な思いが伝わらないわけがないだろう。
今でも彼女の歌を聴くと、どこにいても僕はひとりになる。そしてこの世界に自分が生きていることを、心から感じることができるのだ。