椿屋四重奏、RISING SUN ROCK FESTIVAL 2005 in EZO、TYUNK、JUDE、KREVA、志村正彦(フジファブリック)、山中さわお(the pillows)、中島優美(チリヌルヲワカ)、アナログフィッシュ、スムルース、Rie fu、メレンゲ、SCARLET、THC!!、レミオロメン、矢野絢子、一青 窈、FAKE?、花田裕之×ウエノコウジ(Radio Caroline)、toddle、扇 愛奈、トルネード竜巻、ケイタク、MALCO、オーノキヨフミ 定価 680円(税込)
1998年にリリースされたファースト・アルバム『Talk'in Cheap』。その2曲目「リセス・フェロウ」で、ゲスト参加したメロー・イエローのKoheiが、こんなリリックでリップを紹介する。
<ジャズよりスゥイング ロックよりハード エンカよりディープ ボサノバよりスマート 時にラテンのように情熱的>
有名なリリックだが、今聴いても、リップ・スライムを的確に表していると思う。
スチャダラパーやTOKYO NO.1 SOUL SETといった存在がメジャーシーンで認知され、ヒップホップという言葉が一般的になってきた90年代の終わりに表れた彼らは、明らかにどこか異端だった。ヒップホップという言葉にとらわれ、渾沌としたりもしくはコアに寄っていくグループが多い中で、もともとメロウな部分を強く持ったグループだった彼らは、飄々とそのフィールドを越えていった。メジャーでのファースト・アルバムとなった『FIVE』は、バック・トラックにキーボードやパーカッションを導入し、ポップなパーティ・チューンが並んだ。ジャケットには赤塚不二夫のキャラクターを起用し、そのポップさを強調する。今までどこにも存在しえなかったこのスタイルは、ヒップホップの新しいオリジナルであり、圧倒的な支持を得た。独特な個性を持った4人のMCと、トラック・メイカーとしてのFUMIYAの才能。これが大きなケミストリーを生んだのだ。
さらに「One」が大ヒットし、一般的な認知を高めていく中、4MCのソロも収録された『TOKYO CLASSIC』は、そのエンタテイメント&バラエティ性の中に先人たちへのリスペクトが色濃くなされた。『TIME TO GO』は、それぞれの個性がより強く発揮され、それが同時に<リップ・スライムらしさ>を生み、ユルユルしたモラトリアムから抜けた強い意志がかいま見えた。そしてタイトルにも感じられるように、ある意味到達した『MASTERPIECE』。そして彼らが今『グッジョブ!』というベスト・アルバムをリリースしたのは当然の流れだったのかもしれない。
先日、RYO-ZとILMARIは、m-floのVERBALやNIGOらと共に<TERIYAKI BOYZ>で本格的に活動を開始。全米デビューが決定した。FUMIYAはこの夏、体調不良でグループを一時的に離れている。ヒップホップというスタイルにおいて、他のユニットに参加するのは別に特別なことじゃないが、リップ・スライムというグループへの距離が変わりつつあるのは確かだろう。しかし、先に書いたリリックのような、いろんなジャンルをスイーンと飛び越えちゃうフリーフォームなスタイルは、言うまでもないがリップ・スライムでないと出来ないものだ。彼らは、バンド、ではないが、5人で演ることで、そこにしかないオリジナルを生み出す。やはりリップ・スライムは、特別な存在であり、彼らにとっても特別な場所なのである。