87年に『Real Time Blues』でデビューした彼らは、2枚目の『Monkey patrol』まで、「LUCKY MAN」や「LET’S GO CRAZY」といった疾走感あふれるロックンロールと「SHERRY(reason for tears)」(『Monkey patrol』収録。このアルバムに入っているのはリ・アレンジされたもの)のような切なさ、を前面に出していた。そしてどこか無鉄砲なそのキャラクター。いわゆるバンドブームと呼ばれる時代の中でも、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスは説得力たっぷりであり、その吹く風にまかせるかと思っていた。しかしサード・アルバムの『SPEAK EASY』から彼らのサウンドは趣を変える。レコーディングはアメリカ南部、ルイジアナ州のボガルサ。ニューオーリンズにほど近いこの街でのレコーディングにより、彼らは、ブルージーで、泥臭いアメリカン・ロックの匂いを強くしていく。そしてこの『IT'S FREEDOM』で、描いたものが結実する。ボガルサ・レコーディングではないが、「満員電車(JAM PACKED TRAIN BLUES)」のギターは思いきりブルース・セッションだし、「あの雲は何処へ」にはゴスペル風なコーラスが絡む。「ネ・ム・リ・タ・イ」「ハニーチャイルド・ブルース」でのギターやブルース・ハープも印象的だ。
結成から15年も経てば、そりゃいろんな音楽性がにじみでる。今は全員スーツでビシッとキメて、ディストーションが強烈なガレージ・サウンドを基調にしたTHE PRIVATESだが、90年のこのサード・アルバムの頃は、まだ模索している途中だった。
87年に『Real Time Blues』でデビューした彼らは、2枚目の『Monkey patrol』まで、「LUCKY MAN」や「LET’S GO CRAZY」といった疾走感あふれるロックンロールと「SHERRY(reason for tears)」(『Monkey patrol』収録。このアルバムに入っているのはリ・アレンジされたもの)のような切なさ、を前面に出していた。そしてどこか無鉄砲なそのキャラクター。いわゆるバンドブームと呼ばれる時代の中でも、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスは説得力たっぷりであり、その吹く風にまかせるかと思っていた。しかしサード・アルバムの『SPEAK EASY』から彼らのサウンドは趣を変える。レコーディングはアメリカ南部、ルイジアナ州のボガルサ。ニューオーリンズにほど近いこの街でのレコーディングにより、彼らは、ブルージーで、泥臭いアメリカン・ロックの匂いを強くしていく。そしてこの『IT'S FREEDOM』で、描いたものが結実する。ボガルサ・レコーディングではないが、「満員電車(JAM PACKED TRAIN BLUES)」のギターは思いきりブルース・セッションだし、「あの雲は何処へ」にはゴスペル風なコーラスが絡む。「ネ・ム・リ・タ・イ」「ハニーチャイルド・ブルース」でのギターやブルース・ハープも印象的だ。
そう、この作品からは、音楽的な変貌も含め、何かを手探りで見つけようとしているような印象を受ける。出口のない、足枷をつけられた状況から飛び立つための何かを。<お前のその手で 奪い取るしかねえだろう>(「GET FREEDOM」)<飛び出すチャンスがなかったと そりゃ誰のせいでもないだろう>(「一人ぼっちのバラード」)<色んな事を考えるのはもううんざりさ 早くここからぬけだしたい>(「EMPTY DAYS」)といったフレーズからも顕著なように、飛び立つための何かをバンドは確かに欲していたのだ。その意思が、アルバムに生々しく現われている。
この後、再びボガルサ・レコーディングの作品を2枚発表した後、バンド自体はロンドン・レコーディングを行なうなどし、サウンドもモッズ、ガレージ色が強くなっていく。ヴォーカルの延原はロンドンに住居を移し、UKツアーを行ない、あのトーラグ・スタジオでレコーディングした作品をリリースしている。デビューから15年近い時間をかけて、彼らはザ・プライベーツのスタイルをやっと見つけたのかもしれない。