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ズボンズ「Dirty Bomb」
ズボンズ「Dirty Bomb」
忘れかけていたロックンロールのダイナミズムがここにある ファンク、ヒップホップ、ガレージ、ブルース、そのすべてを呑み込んだ傑作

ズボンズという人を喰ったようなバンド名。ジャケットにもあるように、キュートなクマのキャラクター。いったいどんなバンドなのかと聴いてみれば、ファンク、ヒップホップ、ガレージ、ブルース、フォーク、そのいろんな要素を呑み込んだ、圧倒的なサウンド。ザラッとした手触りで、決してクールでもクリアでもないが、そこには忘れかけていた、ロックンロールの持つダイナミズムがあったのだ。
  もともとズボンズは、リーダーのドンマツオによる、完全独裁的なバンドとして始まっている。結成当初からそれは、ドン自身が明言していた。それがバンドに強さを与えた。ピリピリした緊張感と、そのテンションの高まりが彼らのライヴとサウンドにはあった。ザ・ローリング・ストーンズの超フリークである彼らは、一時期、その爆裂ギターっぷりをやや潜ませ、鍵盤やそのリズムを大胆にフィーチャリングし、60年代を基調にした黒っぽいリズム&ブルーズに回帰していった。この前の作品になる『Let It Bomb』そして『Bomb Freak Express』にそれが顕著に表れているのだが、今作のリリース前、海外での活動に専念していたせいなのか、この『Dirty Bomb』には、ロックンロールへの回帰が強く見られる。

とは言っても、むやみやたらな激しさが強調されているわけではない。インストもあれば、キーボードのマッタイラによるヴォーカルも久々にフィーチャーされ、彩りは鮮やかに。ファンクネスを彼らなりに消化した結果とも言えるが、そのフリーキーな熱量は、より強力なものになっている。この後にリリースされたライヴ・アルバム『Bomb You Live 』を聴けば、この頃のバンドが抱えていたその熱が、どれほど強烈なものだったかわかる。というかドンは、そのときそのときの感覚を、ロックンロールを通して解放しているだけなのだ。しかしそこにぶつけるテンションのアガリっぷりといったら、ハンパじゃない。それがダイナミズムを与え、他の誰にもマネ出来ないインプロビゼーションを生み出す。バンドがこれ以降『ラブ イズ ファンキー 』そして『New San Francisco』という、インプロ色の強い作品になってきたのも当然であろう。

もちろん今の彼らも大好きだが、個人的にこの『Dirty Bomb』をお薦めする。サウンド、バンド、そのすべてがギリギリのテンションで成り立っている、奇跡の結晶のような作品だと、僕は今でも思うのだ。

 

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ズボンズ Dirty Bomb
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