魚屋のバイト、レコード屋の店員とのかけ持ち状態で90年からDJとしての活動を開始したUKのアーティスト。その後Freetownレーベルのレコーディング・スタッフ、ラジオDJとして活動し、シカゴ・ハウス・シーンのトップDJであるデリック・カーターとClassicというレーベルを立ち上げ、ファンキー・ハウスで知られる相棒のジャスティン・ハリスと始動させたMusic For Freaks からはFreaksというプロダクション・チーム名義で3枚のアルバムをリリース。数種類の名前を使い分けながら、独自の活動を続けてきた奇才だ。現在もFreaks名義で制作稼働と続けていおり、昨年は『The Creeps』をヒットさせた。
その証拠に、オープニング「The Difference Engine」や「Liquid」のブリープ感を耳にした時点で、なんか感じるものがありません? 前者の中盤にしつこくはさみ込まれるドラム・サンプルなんか、まんまアート・オブ・ノイズだよね。かと思えばその流れがいつの間にか変態ジャズ・モードな「The Beat Goes」へとつながり、今度はそこからタイトルどおりロボチックな「Robots」へ。続く「People,Places,Thoughts And Faces」や「Skins」には、クラフトワークに通じる粘着性が備わっていたりもする。
「Top Bottom(Version)」とか「Junkies And Whores」は、もろに初期ハウスの影響下にあるトラックですね。ギラギラとしているのにひんやりとした質感があって、そんな逆説性が気持ちよすぎ。この10数年、ハウスにこういう質感が戻ってくるのを個人的には望んでいたかもな。
タブラの音色を加工したような不思議な質感を持つ「Martin,A Cello And Me」、一転してソリッドに突き進む「Out Of Control」、フルートのあやしい音色がものすごく効果的な「Spirits」、90年代初頭の初期テクノを彷彿させる「Open Fire」や「The Darkest Secret」など他の楽曲もバラエティ豊かなうえに完成度がとても高い。