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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2008/02/27 セルジオ・メンデス


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
セルジオ・メンデス 『Universal Masters Collection』
セルジオ・メンデス  『Universal Masters Collection』

TRACK LIST
 2001 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
  

アーティスト詳細へ
セルメン流儀の“理屈以前の心地よさ”がぎっしり詰まったベスト・アルバム。
   

 ブログでも触れたけど、先日セルジオ・メンデス(以下セルメン)にインタビューする機会を得た。前の週にブルーノート東京でライブを見て、その数日後にホテルの部屋をたずねたという流れだ。わずか40分という制限がつけられていたものの、なかなか実のある時間だったな。次の月刊PLAYBOYに掲載されるので、よろしかったら見てみてください。知られざるエピソードも飛び出すかもよ。

 で、“ライブ+面会”というプロセスを踏むことで実感したことがある。“どれだけ時代が変わろうと、セルメン自身は基本的にずっと同じなんだ”ってことである。当たり前だと思いますか?

 でもね、大ヒット・アルバム『Timeless』はよくも悪くも彼のイメージを変化させてしまったけれど、彼の根っこの部分はブラジル'66のころから変わっていない気がしたのだ。ジャンルにこだわらず、いい音楽を最良のアレンジメントによって再構築するという意味で。『Timeless』では、たまたまそれがヒップホップだったというだけの話。

 ということを考えていたら昔の曲が聴きたくなって、今回ご紹介するこのベストを棚から取り出しました。彼のようなクロスオーバー・アーティストの場合、ベスト・アルバムの方が無理なく楽しめそうな気がして。そうしたら、意外やいちばん反応したのは妻だった。

 彼女は音楽にあまり興味がなく、好きでもない音楽を聴くぐらいなら、窓を開けて自然の音を聴きたいという考え方の持ち主である(僕としては、それが楽だったりもするのだけど)。だけどセルメンのベストは、彼女の感性をも刺激したみたいなのだ。そりゃまあ不思議はないよね、なにしろセルジオ・メンデスという人間に興味がなかったとしても、そこには現実的に「聴いたことがある」曲がぎっしり詰まっているわけだから。

 そしてついでにいうと、僕自身もここしばらくは『Timeless』のイメージに縛られすぎて原点の部分を忘れかけていたことを実感した。ジョルジ・ベンによる超名曲「Mais Que Nada」(の1966年バージョン)はもちろんのこと、バート・バカラックが残したポップ・スタンダード「l」、同じくバート・バカラックの楽曲で、オリジナルを歌ったジャッキー・デシャノン以下ディオンヌ・ワーウィックウェス・モンゴメリーなど数多くのアーティストが取り上げている「What The World Needs Now」、ミシェル・ルグラン作曲による映画『シェルブールの雨傘』挿入曲をボサノヴァ・アレンジした「Watch What Happens」、1932年のミュージカル『陽気な離婚』でフレッド・アステアが披露したスタンダードで、多くのアーティストがカバーしている「Night And Day」、ジョン・レノン&ポール・マッカートニーの有名曲で、オリジナルではリンゴ・スターがボーカルを担当していた「With A Little Help From My Friends」や、同じレノン&マッカートニーの名曲「Norwegian Wood」、そしてサイモン&ガーファンクルでおなじみの「Scarborough Fair」などなど、書き連ねていけばきりがないのだが、つまりはそれらの楽曲を耳にするにつけ、セルメンの楽曲に共通する“理屈以前の心地よさ”を意識せずにはいられなかったからだ。

 彼の音楽の前にはなんの障壁もなく、だから(うちの妻のような人も含め)すべての人に訴えかけるってことですよ。ボサのリズムはこれからの季節にもピッタリはまるし、この機会に、ぜひ聴いてみてください。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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