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インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー 『Rhino Hi-Five』
イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリー  『Rhino Hi-Five』

TRACK LIST
 2005 Release
ダウンロード価格
アルバム¥500(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
   

アーティスト詳細へ
「秋風の恋」、懐かしくないですか? いまではあまり話題にならないが70年代の秘宝。
   

 お盆休みに妻の実家に遊びに行った際、バーベキュー大会があった。義理の父母の友人が集まる、毎年好例の行事だ。
 僕はこれが楽しみでね。バーベキューのうまさもさることながら、なにしろ自然のなかで酒が飲める。これはうれしい。しかも今年は義理の弟がCDラジカセを持ち出して音楽を流したりしやがったため、これまでとは違う新鮮さが加味されたのだった。
 ジャック・ジョンソン「Upside Down」とか流すわけですよ。いい感じで。

 でも、その日の僕には聴きたくてたまらないCDがあったので、スカタライツが終わったあとでそれをかけさせてもらった。いきなり時代がさかのぼって、イングランド・ダン&ジョン・フォード・コリーのベスト・アルバム。なんでかというと、道中に中古CD屋に立ち寄ったら200円で売ってたからだ。なんかトクした気がしたのだ(貧乏性)。

 イングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーは、70年代よく聴いたグループだ。イングランド・ダンことダン・シールズのソロ・アルバムを含め、レコードも何枚か持っている。だけどアナログ・レコードだと最近はなかなか聴く気になれなくて、という以前に探すのも面倒だしってことで、ここ数年はご無沙汰してたわけです。だからね、久しぶりに聴きたかったんですね。

 1970年にテキサスで誕生したふたり組である。地元の高校の同級生だったらしい。そういう地域性もあって、ちょっとカントリー風味も持っている。「Nights Are Forever Without You」あたりなんか、ちょっとそんな風味がある。広大なアメリカの大地みたいなイメージだ(って、われながら陳腐な表現だなあ)。

 でも、やっぱりこの人たちの最大の魅力といえばAORテイストなわけですよ。で、その真骨頂といえば「I’d Really Love To See You Tonight」。と書いてもピンとこないかもしれないけど、日本では「秋風の恋」という恥ずかしい邦題がついていたあのヒット曲です。

 柔らかく、爽やかで、メロディもきれいで、ひさしぶりに聴きなおしてもホントに感動したなあ。初めて耳にした義理の弟も、「なにこれ、いいね!」といっていた。世代を超える音なんだな。屋外バーベキューにもよく似合っていた。夏向き。

 それに「秋風の恋」のイメージが強すぎるけど、他にもいい曲がたくさんある。「It’s Sad To Belong」「We’ll Never Have To Say Goodbye Again」のやさしげでメロウな雰囲気なんかたまらないし、トッド・ラングレン「Love Is The Answer」をカヴァーしちゃってるあたりも、選曲に時点でセンス抜群だ。

 ひと時代巡ったというか、いま聴きなおすとまた新鮮なんだよね。

 彼らはビルボードのトップ40チャートに6曲を送り込んだ。『Rhino Hi-Five:England Dan & John Ford Coley』にはそのうちの5曲が収録されている。どうせなら残る一曲「Gone Too Far」も入れてくれよって感じがしなくもないけど、とはいえこのふたりの洗練された音楽性を味わうにはちょうどいい。

 昔好きだった人も知らなかった人も、ぜひ聴いてみてください。涼しげなハーモニーは、熱中症予防としても効果的かもよ。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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