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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2007/07/11 カジャグーグー


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
カジャグーグー  『The Greatest Hits』
カジャグーグー  『The Greatest Hits』

TRACK LIST
 1996 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
   

アーティスト詳細へ
「いまどき誰も注目しないアーティストにあえて焦点を当てるシリーズ」第二回
   

 何ヶ月か前に気分で始めたこのシリーズ、もともと不定期で考えてたんで、今回がやっと二回目ですよ。

 思ったんですけど、「いまどき誰も注目しないアーティスト」といえば80年代ですよね。

 あの時代を通過した人ならわかると思うけど、80年代はかなりインチキでした。流行ったものは、みんなイカサマでした。ですから「いまどき誰も注目しない」という観点から捉えた場合、音楽業界にも味わいのある方々が多数いらしたわけです。

 たとえば、カジャグーグー。
 考えてみれば、名前からしてナメてますよね。もともと別名義で活動していたものの、フロントマンにリマールを加えて名義変更したわけです。81年の伸び悩み克服策。

 で、83年には晴れてデビュー・シングル「Too Shy」で全英1位、全米5位のヒット実績を打ち立てます。ちなみに、このシングルの邦題は「君はTOO SHY」。それだけでも意味不明なのに、キャッチコピーがこれまた難解です。

 「Kajaな気分は今Goo Goo.ハートはピッタシKaja Goo Goo!!」

 「Kajaな気分」ってどーいう感じなのか、誰か教えてください。お願いします!

 「課長、カジャグーグーの『君はTOO SHY』なんですけど、こういうコピーでどうすかねえ?『ハートはピッタシ』ってあたりが、かなりアレなんじゃないかと思うんすけど」  「うん、いいんじゃない?これでいこうよ」

 そんな流れでこのコピーは採用されたのでしょうか?80年代(というか音楽業界?)ならではのユルさですな。

 それはともかくカジャグーグーは大ブレイクし、以後も「Ooh To Be Ah」「Hang On Now」とヒット・シングルを連発しました。が、同じ年の暮れにはリマールが早くも脱退。なかなか素敵なポップ「Only For Love」が中ヒットしましたね。

 で、その流れは84年のファンタジー映画『Never Ending Story』のテーマにつながるわけです。個人的には、この時点で「終わったな」と感じたわけですが、それは僕の考え方でしかありません。僕の考えなんかクソである可能性は大いにあります。

 一方の本体は、ベースのニック・ベグスをヴォーカリストに再始動します。アルバム『Islands』からは「Big Apple」「The Lion’s Mouth」などがカットされて、まあ悪い出来ではなかったと思うのですが成功には至らず。かくして85年に解散してしまったのでした。

 いまでは名前を聞きませんね。両者とも、まだ活動は続けているようなのでビックリなんですけど……(いつ再結成したんだ?)。

 と、彼らのプロセスを追うとこういう散々な表現しかできないわけですが、にもかかわらず取り上げようと思ったのには理由があります。

 レコード(少なくともファーストの『ホワイト・フェザース』)に刻まれた音そのものは、けっこういいんですよ。曲がよくできてるし、演奏だって悪くない。

 前述したファースト・シングル「Too Shy」に明らかなとおり、リズム・セクションはなかなかにタイトだしね。「White Feathers」なんか外面はシンセ・ポップですけどスラップ・ベースがバッシバシ効いてて、ファンクの素養を感じさせます。

「Ooh To Be Ah」「Hang On Now」も、やっぱりベースラインがかっこいいよなぁ。そう考えると、ニック・ベグスの存在がかなり大きかったことがわかりますね。

 ってなわけでこの人たち、実はバックグラウンドがしっかりしていたという可能性が大いにあるのだ。インストゥルメンタル・トラックに「Kajagoogoo」と自らの名を冠しているのは、もしかしたら自信の表れだったのかな。

 そういえば「Too Shy」「Ooh To Be Ah」「Hang On Now」も、みんな12インチに収録されていたリミックス・ヴァージョンがかなりかっこよかったんだよなー。特に「Hang On Now」のExtended Versionはかなりの頻度で聴き込んだ記憶があります。

 80年代の楽曲には聴くに耐えないものも少なくないわけですが、彼らは例外。いまでも充分に聴けます。

 ってなわけで、ベスト・アルバムを通じて彼らの楽曲を再認識してみるのも悪くないのでは?30代以上の人なら絶対に響くはずだし、20代の人でも新鮮さを感じる可能性大です。

 それに公の場でいまカジャグーグーの話題を出せば、20数年の中途半端なタイム・ラグを武器にウケが狙えること間違いナシです(って、オチをつけるなオチを)。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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