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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2007/04/11 EPMD


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
EPMD 『Unfinished Business』
EPMD 『Unfinished Business』

TRACK LIST
 1991 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
   

アーティスト詳細へ
ファーストに負けず劣らず、またもや重要曲満載の2作目は成金根性も素敵!
   

 EPMDについては以前、ファースト・アルバムの『Strictly Business』について書いた。が、この人たちについてはまだまだいくらでも書けちゃうので、今回は調子に乗って89年のセカンド『Unfinished Business』を取り上げよう。ホント4枚目まではハズレなしなんだよねー、ファンク体質保持者のツボ突きまくりで。

 まずですね、成金趣味丸出しなこのジャケットがスンバラシイじゃないですか。カマロにベンツ、どこのブランドなんだか「よさ」を理解しづらくもあるお揃いの服、そしてキメキメのポーズ。「俺たちゃこれだけのもんゲットできてんだぜ!」ってなイキガリが、まったくもってヒップホップです。  で内容的にも、『Strictly Business』に次いで名曲てんこ盛り状態。彼らの根底にあるファンク趣味が、「もう、わかったから!」ってくらいに発揮されているのだ。

 なにより強力なのが、オープニングの「So Wat Cha Sayin’」だ。なんたってB.T.エクスプレス「If It Don’t Turn You On」とファンカデリックの名曲「One Nation Under A Groove」、そしてルーサー・ヴァンドロスのこれまた名曲「So Amazing」の3曲使いですぜ。ふつうに考えればありえない取り合わせだが、これがもうどす黒いったらありゃしない。DJ・スクラッチの切れ味鋭いターンテーブル・プレイも最高!
 続く「Total Kaos」は、ヒップホップの定番ビートとしてあまりに有名なハニー・ドリッパーズ(ロバート・プラントとかがいた80年代の同名グループとは別ですよ)の定番ビート「Impeach The President」を遅めにループさせ、ジェイムス・ブラウン「Soul Power Part 1」とファンカデリック「I Bet You」を絡めたトラック。シブすぎ。
 ってな感じで、この2曲やJB’sの「Blow Your Head」を使用した「Get The Bozack」あたりのグルーヴをわからない奴は、もう絶対に嘘だ。あ、いや……それはいいすぎかもしれないけど、あの……わかっていただけたらうれしいかな(って、断言できない気の弱さがちっともヒップホップっぽくないぞ)。

 「Jane II」『Strictly Business』収録曲「Jane」の延長線上にある曲で、この流れは最終作『Out Of Business』「Jane 6」まで続きます。ネタ元はよくわからないけど、これも「硬く太い」トラックがヒップホップの本質を捉えとりますなあ。メロウ・グルーヴの超定番、フェイズ・Oの「Riding High」をループした「Please Listen To My Demo」、フィラデルフィア・ソウルの根幹をなしてきたMFSBの名曲「Love Is The Message」をサンプルしてヒップハウス仕様にした「It’s Time 2 Party」あたりも、控えめながらいい味。JB’s「Same Beat Pt.1」にファンカデリックの「Loose Booty」をかけ合わせた「Who’s Booty」は、同じくJB’sを使ったトータル「Do You Know」ともつなげてプレイできます。

 後半に移ると、ジェイムス・ブラウン「Baby,Here I Come」と「The Payback」をダブルでサンプルしたビートの威力が強烈な「The Big Payback」が強力。他にもルーズなノリが心地よい「Strictly Snappin’ Necks」、これも定番サンプルとしておなじみのジョー・コッカー「Woman To Woman」を使用した「Knick Knack Patty Wack」など聴きごたえ満載。
 唯一のミスは、デレク&ザ・ドミノス「Layla」のあのフレーズを弾きなおした「You Had Too Much To Drink」かなあ。EPMDと暮らしたっていいと感じている僕ですら、この安っぽさはちょっと…。そのあたり、いかがでしょうか?
 ラストにデヴィッド・ボウイ「フェイム」をサンプルした「It Wasn’t Me,It Was The Fame」でしっかりシメてくれるんで、まあ相対的にはまったく文句ないんですけどね。
 てなわけで、これまたぜひ一度体験していただきたいアルバムなわけです。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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