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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2006/12/27 ジェームス・ブラウン


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
ジェームス・ブラウン『イン・ザ・ジャングル・グルーヴ』
ジェームス・ブラウン『イン・ザ・ジャングル・グルーヴ』

TRACK LIST
 1986 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,350(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
  

アーティスト詳細へ
ジェームス・ブラウン特集ページ
追悼。ヒップホップにも影響を与えたファンクの創始者、その軌跡をなぞった傑作コンピ。
   

ブログでも触れたとおり、ジェームス・ブラウンの死にショックを受けている。正直、ここまで引きずることになるとは予想もしていなかったのだけれど、なんだかひとつの時代が終わった気がしてならないというか・・・。ファン以外の人から見れば「オバサンみたいな髪型したヘンなオッサン」かもしれないけど、ファンクの創始者として、あるいはヒップホップの精神性にもつながる「絶対的な自己肯定意識」の持ち主としても、音楽シーンにおける彼の存在意義はとても大きかったのだ。

 というわけで今回はJBをぜひ体験していただこうと思ったのだが、なにせ80枚以上もアルバムを出してる人なので、たった一枚だけをチョイスするのは非常に困難。そこで長いキャリアのなかでも特筆に値する“ファンク”の部分に焦点を当てたコンピレーション・アルバム『In The Jungle Groove』をご紹介しようと思う。名ボックス・セット『Star Time』を編集したことでも知られるジェームス・ブラウン研究家、クリフ・ホワイトの手によるコンピレーション・アルバムだ。拙著『ブラックミュージックこの一枚』でも取り上げたことがあるが、ヒップホップなどのダンス・ミュージックから彼を知った人にとっては、とても適した入り口になると思う。

 オープニングは、1970年の同名アルバムから誕生した名曲「It‘s A New Day」。6分以上も続くソリッドなビートに、JBファンクの神髄が表現された楽曲だ。続く「Funky Drummer」は、ヒップホップ・リスナーにとっては最も聴きおぼえのある楽曲かもしれない。80年代後期、サンプリング・ソースとしてこの曲がヒップホップ・トラックにサンプルされまくったことがあるからだ。使われるのはもっぱら中盤部分。5分19秒あたり、「one,two,three,four,hit it!」のかけ声とともに登場するクライド・スタブルフィールドの8小節ドラム・パートだが、無駄がなくこの上なくソリッドで、「定番ビート」として認知された理由も充分にわかる。
 ちなみにこのパートが頻繁に引用されることから、当コンピにはそのパートだけで構成したボーナス・ビーツ「Funky Drummer(Bouns Beat Reprise)」も収録されている。DJ用の“つなぎ用トラック”だが、これがどうにも使える使える! 僕もDJをやる際には、必ずレコード・バッグに入れておく楽曲だ。
 「Give It Up Or Turnit A Loose」も、同じくJBの代表曲のひとつだが、ここに収録されているのはリミックス・ヴァージョン。ドラムのヌケがよくなっていて、明らかにクラブ・プレイを意識した作りになっている。こういう仕掛けが施されたとしても、まったく原曲の威力を失わないところがJBファンクの神髄。また、随所に配された“声ネタ”の数々も、ヒップホップ・リスナーにはおなじみのはずだ。
 未発表曲として、このアルバムが初出となった「I Got To Move」は1967年の「There Was A Time」を再構成した楽曲で、冒頭のコンガ・ビートからすでにエキセントリックなファンク。次に登場する「Talkin‘ Loud And Sayin‘ Nothing」は'72年にR&Bチャート1位になったクラシックだが、ここに収録されているのはその別ヴァージョン。やはりサンプリング・ソースとして「聴きおぼえのある」パートがぎっしり詰まった「Get Up, Get Into It, Get Involved」とともに、絶対に押さえておきたい楽曲である。
 さらに「Soul Power」「Hot Pants (She Got To Use What She Got To Get What She Wants) 」も、JBを語る上では外すことができないクールなファンク。やはり定番ネタであるだけに、入り口としては最適だろう。

 リズム&ブルース時代の楽曲から『ライヴ・アット・ジ・アポロ』『レヴォリューション・オブ・マインド』などのライヴ・アルバムまで、JBには傑作の名に恥じない作品が多い。そうであるだけにこのコンピだけですべてを語り尽くすことはできないけれども、これで興味を持ったら他のアルバムにもぜひトライしてほしいと思う。

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  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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