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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2006/10/11UP ビッグ・ストライズ


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
ビッグ・ストライズ『クライ・イット・オール・アウト』
ビッグ・ストライズ『クライ・イット・オール・アウト』

TRACK LIST
 2006 Release
ダウンロード価格
アルバム¥1,500(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
  

アーティスト詳細へ
クールでおバカな、いまどき珍しいリアル・ブルース・ロック・アルバム。
   

さて今回は、「最近聴くものなくなっちゃったよねー」とお嘆きの“わかってらっしゃる”方々のために、そのストレスを一蹴してくれるであろう最高にかっこいいスリー・ピース・バンドをご紹介させていただこう。ヴォーカル、ギター、ハーモニカ担当のマーカス・オニール、ベースのクリス・ケリー、ドラムスのルイス・カークというベーシックな編成もうれしいロンドンのトリオ、ビッグ・ストライズだ。
 昨年のデビュー・アルバム『Small Town,Big Strides』はそこそこの話題を呼んだし、サマソニに出演するため今年は来日もしたのですでにご存じの方も少なくないかとは思うが、これが最高にクールなバンドなのである。

 その空気感を言い表すなら、「パブ・ロックの猥雑さから離れられない、(最上級のホメ言葉としての)ぶきっちょバンド」という感じ。無愛想で、でもくだらないギャグとか大好きそうで、下ネタとかだと特に盛り上がりそうで、でも実はマジメで、と、すべてにおいて自分たちの価値観を信じきっているとしか思えないバンドなのである。てなわけでぜひ、なるべく安いスコッチとか飲みながら(焼酎でも可)、なるべく無責任に聴いていただきたい。そういう音。
 だいたい、ジャケットからしてイカしてるでしょ。i-POD全盛の時代に、初代ウォークマンを彷佛させるカセット・プレーヤーですぜ。結成に際しては「ロンドンで流行ってる音とは違うことをやろう。コールドプレイじゃない音を作ろう」と話し合ったというだけあり、とてつもなく太い芯の通ったブロース・ロックを聴かせてくれるのだ。ちなみに上記の発言、反発を感じる人もいるかもしれないけれど個人的には諸手を挙げて共感するぞ。

 ゴリゴリと切れ味鋭いギターがクールだよなあと思いきや、モチーフは「セサミ・ストリートのテーマ」だったりするオープニングの「£2.49」からして最高。続く「シー・ドリンクス・ウィスキー」のダルな雰囲気にもたまらないものがあるし、かと思えばソリッドな「シング・トゥ・ミー」の裏側には、なんだかもうとてつもないバカバカしさもちらほら。ドクター・フィールグッドを思い出させる「ドゥ・イット・アゲイン」のブルース・ハープは勃起確実だし(下品ですみません)、ファースト・シングル「レッツ・ゲット・ナイス」の疾走感とか「オールウェイズ・トゥギャザー」のやる気なさそ〜な空気感にも愛着を感じる。
 と、ここまで曲順どおりに書いてきたのだけれど、これ以降についてもまったく飽きさせない。
 正統的なブルース・ロックの「ブレックファスト」とかラムズフェルド国務長官のおバカ発言がもとで生まれたという「クッキーズ(ドナルドのテーマ)」とか、イントロがなにげにベイ・シティ・ローラーズ「スマイリング」(聴く人が聴けばわかる)とか、とにかく全曲が楽しくって、それでいてシブさも備えた秀作揃いなのである。いやホントですぜ。実を言うと僕は今日、このアルバムを6回聴いたのだが、昨日もにたようなことをしたのだが、それでもちっとも飽きません。いまどきそんな繰り返して聴けるアルバムってあります? BGMとして流してもおけるし、じっくり耳を傾けることもできる、なんとも素敵なアルバムなのだ。
 そして確実に、酒が進みます。そういう意味でも、まさにこれこそ男のロック。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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「インナミリコメン」「印南敦史の武蔵野音楽日記」でおなじみの印南敦史の新作エッセイ『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)が発売されました。フリーライターの現実を赤裸裸に、そしてコミカルにつづった内容。専門書とは違って、笑いながら気軽に読めるので、音楽ライターになりたい人も、そうでない人も楽しめるはずですよ。ぜひチェックしてください

 






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