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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2006/09/27UP サム・ムーア


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
サム・ムーア『オーバーナイト・センセーショナル』
サム・ムーア『オーバーナイト・センセーショナル』

TRACK LIST
 2006 Release
ダウンロード価格
トラック各¥150(税込)

 
 
*印の曲は、現在OnGenでは配信しておりません
 

アーティスト詳細へ
豪華すぎるゲスト陣をも屈服させ、いまなお力を失わない71歳のソウル・パワー。
   

初めて聴いた瞬間に、ものすごく興奮したのだ。
 ここまで骨太で、力と愛情に満ちた作品ってあまりない。
 早いものでそろそろ「年間ベスト10」のたぐいが出回る時期だけれど、これは間違いなく上位に組み込まれることになると思う。
 スタックス・レーベルを代表するデュオとして、60年代に「Soul Man」「Hold On, I'm Comin'」「You Got Me Hummin'」「When Something Is Wrong With My Baby」「Soul Man」「I Thank You」など数多くのソウル・クラシックスを残したサム&デイヴの片割れ、サム・ムーア。彼が御年71歳にして生み出したアルバム、『オーバーナイト・センセーショナル』がそれだ。

 きちんと正規発売されたものとしては、初めてのソロ・アルバムである。彼はサム&デイヴ解散の年に『Plenty Good Lovin'』というアルバムをレコーディングしているのだが、それはお蔵入りになってしまったからだ(2002年にやっと出たが、あっという間に入手困難に)。
 で、以来36年を経て、ようやく生み出した作品なのだ。
 しかも、奇跡的ともいえる超豪華ゲスト陣とのコラボレーション。コラボのたぐいって主役の存在感が曖昧になってしまうことも少なくないけれど、ここでの彼はゲストを凌駕すらしながら、すばらしい歌を聴かせてくれる。

 オープニングの「I Can't Stand The Rain」を聴いた時点でもう即死だ。アン・ピーブルズの1973年作品をカントリー・シンガーのワイノナ・ジャッドとリメイクしているのだが、この渋みったらもう! バック・ヴォーカルにビービー・ワイナンズ、そしてデラニー・アンド・ボニーの娘であるベッカ・ブラムレットが参加している点も見逃しがたい。それどころかキーボードは、先ごろ逝去したビリー・プレストンですぜ。

 そのベッカ・ブラムレットと歌う「Don't Play That Song」は、ベン・E.キングやアレサ・フランクリンでもおなじみの名曲。ゴスペル色満載なバッキング・ヴォーカルもいいなあと思ってチェックすると、クインシー・ジョーンズの後押しを受けて80年代にデビューしたサイーダ・ギャレットの名前もあったりします。がんばってたのね。

 あと驚かされたのは、トニ!トニ!トニ!のヒット「If I Had No Loot」を取り上げている点。ヴァン・ハントニッカ・コスタをフィーチャーし、原曲に負けず劣らずのクオリティを生み出しているのだ。これは聴きもの!
 それからカントリー・シンガーのトラヴィス・トリットをフィーチャーし、スティール・ギターにロバート・ランドルフが参加する「Riding Thumb」もオススメ。デヴィッド・T.ウォーカーの、さりげなくそして深いギター・ソロもシビレますぜ。

 その他、旧知の仲だというブルース・スプリングスティーンと歌う「Better To Have And Not Need」、R&Bシンガーのファンテイジアと絡む「Blame It On The Rain」、ジョン・ボン・ジョヴィとデュエットする「Lookin' For A Love」スティーヴ・ウィンウッドとの共演曲「Ain't No Love」スティングとの掛け合いがスリリングな「None Of Us Are Free」マライア・キャリーヴィンス・ギルがバック・ヴォーカルを勤める「It's Only Make Believe」、ガース・ブルックスのヒット曲を、バッド・カンパニーのポール・ロジャースとともに焼きなおした「We Shall Be Free」と、列記するだけでもため息が出るほど豪華な重要曲がぎっしり。

 ラスト、このアルバムの制作途中で世を去ってしまったビリー・プレストンの楽曲であり、エリック・クラプトン、ズッケロ、ロバート・ランドルフが参加したラストの「You Are So Beautiful」も感動的だし、ジャンルにかかわらずすべての音楽ファンに聴いてほしい作品だと断言してしまおう!

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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「インナミリコメン」「印南敦史の武蔵野音楽日記」でおなじみの印南敦史の新作エッセイ『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)が発売されました。フリーライターの現実を赤裸裸に、そしてコミカルにつづった内容。専門書とは違って、笑いながら気軽に読めるので、音楽ライターになりたい人も、そうでない人も楽しめるはずですよ。ぜひチェックしてください

 






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