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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2006/08/09UP ソロモン・イロリ


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
ソロモン・イロリ『African High Life』
ソロモン・イロリ『African High Life』

TRACK LIST
 1963 Release
ダウンロード価格
アルバム\1,200(税込)
トラック各¥150(税込)

 
 
 
  

アーティスト詳細へ
疲れた心をおだやかにしてくれる、心地よくスムースなダンス・ミュージック。
   

一週間前に父親が死んだ。僕もすっかりおじさんなので必要以上に悲しみを引きずったりはしなかったのだけれど、それでもなにかと忙しかったのだ。  いやホント、葬式が終わってもやることは多く、よくわからないまま目の前にあることを片づけていた感じ。
 で、そんな状況も一段落したとき、まず聴きたいなあと思ったのが今回紹介するソロモン・イロリ『African High Life』だった。

 ソロモン・イロリはナイジェリアのミュージシャンで、これはジャズの名門ブルーノート・レーベルから1963年にリリースされた唯一のアルバムである。アフリカ回帰志向を前面に押し出したアート・ブレイキーの1962年作品『The African Beat』に参加したことがリリースのきっかけになったのだが、そんなわけでブルーノート作品のなかでも異例の部類にはいるアルバムではないかと思う。

 なにが異例かって、一般的にいう“ジャズ”のアルバムではないという点(もちろんジャズの根っこはアフリカにあるわけだけど、あくまで聴感の問題です)。ではなにかといえば、“ハイ・ライフ”と呼ばれるアフリカ音楽なのである。これは1920年代に西アフリカで誕生したダンス・ミュージックで、打楽器のビートとギターのリフレインが特徴。
 という表現から、同じくハイ・ライフの源流を持つフェラ・クティのどす黒いグルーヴを連想する人もいるかもしれない。が、イロリのハイ・ライフは、タラタラ聴いているだけでも気持ちよくなれる音楽なのだ。
 だからこそ、こういう音楽は理屈のたぐいを排除してでもまず楽しんでみることが大切だと僕は思う。

 奥さんの名前を曲名にしたラヴ・ソングで、トーキング・ドラムのビートが心地よい「Tolani (African Love Song)」
 アフリカの連帯を訴えた曲で、やさしいフルートの音色とゆるやかなグルーヴが印象的な「Ise Oluwa」
 縦笛の音色がかわいらしく、メッセージ・ソングであるにもかかわらず妙に和めてしまう「Follow Me to Africa」
 同じく冒頭の打楽器がかわいいったらない「Yaba E」
 ギター、パーカッション、サックスのリフレインが絡みあって暖かいグルーヴを生み出している「Jojolo (Look At This Beautiful Girl)」
 警告の歌だというだけあり、ゆったりとしたなかにも少しばかりの緊張感が感じられる「Aiye Le」

 ……と、どの曲も、やさしいリズムと心を落ちつかせてくれる雰囲気を持っている。
 予定のない休日の夕方とか、ビールを飲みながらぼーっと聴くには最適な質感。意味性を追求することも重要かもしれないけれど、そういうカジュアルな接し方もまた大切なのではないかな。

 人の3倍分ぐらい酒を飲んだ親父が肝臓で死んだこともあり、僕の場合はビールの量を控える必要があるかもしれませんが。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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