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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2006/03/22UP ニーヨ


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
ニーヨ『イン・マイ・オウン・ワーズ』
『イン・マイ・オウン・ワーズ』

TRACK LIST
  ダウンロード価格

トラック\150(税込)
アルバム\1,500(税込)

 
 
 
  01. Stay  >>試聴  
  02. Let Me Get This Right  >>試聴  
  03. So Sick  >>試聴  
  04. When You’re Mad  >>試聴  
  05. It Just Ain’t Right  >>試聴  
  06. Mirror  >>試聴  
  07. Sign Me Up  >>試聴  
  08. I Ain’t Gotta Tell You  >>試聴  
  09. Get Down LIke That  >>試聴  
  10. Sexy Love  >>試聴  
  11. Let Go  >>試聴  
  12. Time  >>試聴  
  13. Get Down LIke That Remix  >>試聴  

自分で動いてチャンスをつかんだ、若き才能の持ち主
   

「なんかおもしろいことない〜」
 すぐにそういうことをいい出す人が僕は苦手だ。
 「おもしろいことぐらい自分で探せよ。ないなら自分でおもしろくしろよ」
 そういいたくなってしまうから。
 いや、ホントにそうだと思うわけです。他力本願が基本では、人生なんかおもしろくなるはずがない。おもしろくしたいんだったら、動かなくちゃ。と、偉そうにいえるほど自分がうまくいってるとも思えないけど、動けば動いたなりに結果というものはあとからついてくるものだという実感は何度か味わったことがあるよ。

 どうしてこんなことを書いているかといえば、ファースト・シングル「ステイ」で本格的なデビューを果たしたニーヨが、まさに「動いて成功をつかんだ」張本人だからだ。

 アーカアンソー州出身でラスヴェガス育ち、現在はロサンジェルスを拠点にする23歳。父親がベースを、母親がピアノを弾いていて、家族全員がシンガーだという音楽的に恵まれた環境に育ったということなので、そりゃあ才能を開花させるには格好ですわな。
 でも新人のプロフィールとしてそれは特に珍しいものではないし、むしろ僕が関心を持ったのは、幼い頃から続けてきた日記を書く習慣が現在の活動に好影響を与えているというエピソードだ。
 日記を通じて「表現」のノウハウを育て、作詞やショート・ストーリーづくり、ソングライティングにまで可能性の幅を広げていったというのだ。そしてそんな動きが2004年、マリオ「レット・ミー・ラヴ・ユー」のソングライティングを担当するというチャンスへ。結果としてこの曲は全米No.1ヒットとなり、以後はメアリー・J.ブライジフェイス・エヴァンス、B2K、ミュージック、クリス・ブラウンらに楽曲提供するまでに成長したのだからたいしたもの。

 ただ日記を書くというだけなら、誰にでも簡単にできることだ。でも大切なのは習慣や義務などをどうプラス要素へ転化させるかということで、その点においてニーヨは状況を有効に活用したことになる。そのあたりが、いかにも動いているという感じで好印象。
 やっぱり動いたモン勝ちってことです。
 その証拠に、以後の彼はまたもや自分で動いてチャンスをゲットしたのだった。
 「自作トラックを売り込むために」デフ・ジャム・レコーディングスを訪れた際、L.A.リードとジェイ・Zの前でパフォーマンスするチャンスに巡りあい、それがデビューにつながったのである。

 いまどきそんな夢みたいな話があるのかよってツッコミのひとつもいれたくなるような話だけれど、L.A.リードとジェイ・Zの判断が間違っていなかったということは、アルバム『イン・マイ・オウン・ワーズ』を耳にすればすぐにわかる。

 「なんかおもしろいことない〜」というかわりに、「ステイ」や「レット・ミー・ゲット・ディス・ライト」や「サイン・ミー・アップ」のグルーヴ感に震えてください。
 「なんかおもしろいことない〜」というかわりに、「ソー・シック」や「ウォン・ユア・マッド」や「タイム」の切なさにヒィヒィ泣いてください。
 「なんかおもしろいことない〜」というかわりに、「ミラー」や「アイ・エイント・ガッタ・テル・ユー」や「セクシー・ラヴ」でエッチな気分になってください。

 つまりこのアルバムにはそういう、R&Bが失うべきではないツボがきちんと備わっているのだ。
 ベイビーフェイスが初めてソロ・アルバムを出したころのことを、ちょっと思い出したりもした。

お知らせ 多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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