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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2005/12/14UP デューク・エイセス


インナミリコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
今回のPICK UP:デューク・エイセス『焼跡のジャズVol.1』
デューク・エイセス『焼跡のジャズVol.1』

TRACK LIST
  ダウンロード価格 
トラック\150(税込)
アルバム\1,500(税込)
 
 
 
  01. センチメンタル・ジャーニイ  
  02. エニイ・タイム  
  03. オールウェイズ  
  04. ファイブ・ミニッツ・モア  
  05. ボクはセンチになったよ  
  06. イッツ・オンリィ・ア・ペイパー・ムーン  
  07. ラヴ・レター  
  08. ビビディ・バビディ・ブー  
  09. ユー・アー・マイ・サンシャイン  
  10. トゥ・イーチ・ヒズ・オウン  
  11. 牧場の木  
  12. ボタンとリボン  
  13. イッツ・ビン・ナ・ロング・ロング・タイム  
  14. スターダスト  
  15. ドリーム〜グッド・ナイト・スウィートハート  

ジャズ・コーラスにみられるセンスのよさに注目!! 侮れないおじさんたち
   

前回、NYアンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンの遺産ことエリック・B&ラキムを取り上げた。で、お次はデューク・エイセスですよ。
なんの接点も感じられないこの展開に、違和感を感じている人だっているかもしれない。そりゃーいるでしょうよ。こんなヘンなもの書き、あんまりいないだろうなあと自分でも思うし。
ちなみにさっきまで、ひさしぶりにエミネムの「My Name Is」を聴いてました。「もうやってらんないね パメラ・リーのおっぱいむき出しにしたいよ」とか、そんなことばっかりいってる下品な名曲。だけど、お次はデューク・エイセスですよ。

 ジャンルに関係なく、その音楽にある価値をすなおに受け止めたいという思いが常に僕のなかにはあるのだ。いつも主張してるんだけど、「ジャンルが好きなわけではなく、音楽が好き」だから。なので当サイトの編集部担当者が驚こうがなにしようが、今回はデューク・エイセスなんです。

 そもそも僕は、いつかこの人たちの音楽を真剣に聴いてみたいと思い続けてきたのだ。セックス・ピストルズを軸としたパンク・ムーヴメント華やかりしころ、ラジオで偶然耳にした「筑波山麓合唱団」にガツンとカマされたときから。
文字どおり、筑波山麓のカエルの合唱団(ありえない)を紹介する歌で、歌詞の半分以上は「ゲロゲロゲー」である。で、「♪おっさーななじみの思い出は〜」と歌われる「おさななじみ」という曲もこの人たちの持ち歌だったとということも同じころに知った。

 どうあれ、セックス・ピストルズに匹敵する衝撃を受けたのだ……というのは大ウソだけど、めちゃめちゃ新鮮だったことは事実。「未来がないことを嘆く不良がロンドンにいるかと思えば、ここまで純粋に、昭和30年からずっと楽しそうに歌い続けている人たちもいるのか」って意味で。

 とはいいつつも現実的には刺激たっぷりな音楽に惹かれて当然で、その後ほとんど真剣に聴いたことはなかったのだが、『週刊文春』の11月24日号に掲載されていた彼らのインタヴュー記事を読み、改めて関心を持ったというわけ。

 「(先輩格の)ダーク・ダックスがいましたから、僕たちが生きていくためにはハーモニーだけではいけないと、黒人霊歌とかジャズのナンバーを一生懸命勉強したんです。その腕を磨くには米軍キャンプの兵隊さんに聴いてもらうのが一番でしたから、昭和三十四、五年ぐらいまでキャンプ回りをしてました」

 「当時はダーク・ダックスのロシア民謡に対して、デュークはジャズとか黒人霊歌を歌うスイング感あふれるグループだとキャンプで知る人ぞ知る存在だったんです」

 こういう話を知っちゃうと、すごく興味がわいてくるじゃないですか。
で、じっくり聴いてみたんですけど、これがとても楽しいひとときだった。デューク・エイセスと聞けば先述した「筑波山麓合唱団」や」「おさななじみ」、あるいは「女ひとり」に代表される「にほんのうたシリーズ」を思い浮かべる人が圧倒的に多いだろう。僕だってそうだったわけだし。
が、たしかにインタビューで語られていたとおり彼らはさまざまなジャンルの歌に挑戦していて、なかでもジャズ・コーラスのクオリティにはすばらしいものがあるのだ。

 『焼跡のジャズ Vol.1』に収録されている「センチメンタル・ジャーニイ」や「オールウェイズ」「スターダスト」などを聴いてみれば、僕が決しておおげさに語っているわけではないことがわかると思う。これは、ときどき聴きたくなるアルバムだ。
あと、『クラシックの『くるみ割り人形』に歌詞をつけて歌うとか、『アランフェス協奏曲』をスキャットでやるとか(前出の週刊文春記事より)』、イラストレーターの和田誠さんの斬新なアイデアをもとにしたという『デュークエイセス狂想曲』もおもしろおかったな。

 感じるのは、時代やジャンルこそ違えど、音楽に対する情熱というものそれがはヒップホップでだろうがデューク・エイセスであろうが根底の部分は同じだということ。決しておおげさではないと思いますよ。
音楽への思いが伝わる音楽は、やはり気持ちがいいのだ。


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  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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