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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2005/10/12UP ギルバート・オサリバン


インナミリコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
今回のPICK UP:ギルバート・オサリバン『<SPECIAL PACK>ギルバート・オサリバン』
シック『おしゃれフリーク』

TRACK LIST
  ダウンロード価格 
各曲\150
アルバム\840(税込)
 
  01. アローン・アゲイン  >>試聴  
  02. クレア  >>試聴  
  03. ゲット・ダウン  >>試聴  
  04. テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ  >>試聴  
  05. メイク・マイ・デイ  >>試聴  

メロディからグルーブまで、秋にぴったりハマる究極のポップス
   

秋になった。
 食欲だとか読書だとかスポーツだとか、いろんなものに最適な季節であるといわれているが、秋は同時に感傷的にならざるを得ない時期でもあったりもする。
 だから僕もいま、ちょっとそういう気分になっている。
 そうはいってもきちんとした(していない)社会人なので、さすがにひとり窓辺で涙を流したりはしない。花びらをちぎりながら「来る」「来ない」と感傷にひたることもない(って、いまどきそんな奴いないし)。
 しかし、それでも秋にはなんとなく「浸りたくなる」というのが人情で、そんなときに大きな効果をもたらしてくれるものは当然ながら音楽だ。そんなわけで今回からしばらくは、「秋に似合う音楽」について書いてみようと思っている。

 秋に聴きたくなる音楽というのは僕のなかにもたくさんあるが、まず筆頭としたいのはアイルランド出身のシンガー・ソングライター、ギルバート・オサリバンだ。そう、不朽のポップ・クラシック「アローン・アゲイン」でおなじみのあの人。彼の曲はまさに、秋から冬にかけて聴くには最適だから。

 ベタですか? でもこの人やこの人の楽曲については、何度書いても書き足りないという気がするのだ。
 リスナーのツボにハマりまくるメロディ感覚、ナヨッとした声質とボーカルが感じさせる甘酸っぱさなどには、流行も時代も世代も飛び越え、いつまででも聴き続けることのできる普遍性がそなわっているから。

 事実、彼の曲はCMやドラマのテーマ曲に使われまくってますしね。そしてそれこそまさに、普遍性の本質をいい表しているといえるのではないだろうか?
 たとえば'72年に誕生した最大のヒット曲「アローン・アゲイン」は、30数年もたった昨年、TVドラマの主題曲になった。同じく'77年の「トゥモロウ・トゥデイ」も、さかのぼること10数年前の'92年にドラマの主題歌になっている。
CMに目を向けてみても、数年前にヨーグルトのCM曲としてリバイバルした「クレア」とか、自動車のCMのバックにも流れた「メイク・マイ・デイ」、果ては発泡酒のCMのために書き下ろされた'01年の「テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ」などなど、もーどんどん出てくるのである。

 認知度が高く、初めて聴く人の耳にも新鮮な印象を残す曲であれば、マスを対象としたドラマやCMに使われる素材としては格好だ。そしてその大前提となっているのは、いうまでもなくポップ・ミュージック楽曲としてのクオリティである。つまりオサリバンの楽曲は、熱心なファンからマスまでを取り込めるだけのポテンシャルを備えているからこそひんぱんに取り上げられるのである。

 そういえば彼の音楽の普遍性に関しては、もうひとつだけ書き添えておくべきことがある。単にメロディが美しいだけではなくてリズム・セクションがしっかりしている曲が多いので、グルーブを重視する黒人層からの受けもよかったりするのだ。
 そのいい例が、かの「ゲット・ダウン」を生んだ'73年作『アイム・ア・ライター、ノット・ア・ファイター』収録曲の「ウー・ベイビー」。当時としては珍しいことだったはずだが、これはポップ・チャートのみならず、ブラック・チャートでも18位まで上昇するという異例のヒットとなったのである。
またラッパーのビズ・マーキーが、「アローン・アゲイン」を無断にサンプリングして問題化したこともあった。無許可なら当然といえば当然だけれど、法律的な問題はともかくとしても、これもまた曲の持ち味が思わぬところで評価を受けた結果といえるのではないだろうか。

 育ての親であるプロデューサーのゴードン・ミルズと対立し、CBSに拠点を移して'80年に大ヒットさせた「そよ風にキッス」とか、'71年のデビュー・アルバム『ナッシング・ライムド』に収録されていた「マトリモニー」や「ナッシング・ライムド」など、僕のなかにも大好きな曲がたくさんある。

 そんなわけで、この秋は改めて彼のメロディ感覚に浸ってみましょうというのが、今回の僕からの提案だ。

お知らせ多方面で活躍中の音楽ライター・印南敦史のブログ「印南敦史の武蔵野音楽日記」がついにOPEN!

  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。最新刊は『音楽系で行こう!』(ロコモーション・パブリッシング)。その他、『 あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)など著作多数。
『TITLe』(文芸春秋)『ラピタ』(小学館)『BRIO』(光文社)『モノ・マガジン』(ワールド・フォト・プレス)『月刊PLAYBOY』(集英社)など、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。
脱力系日記が人気のウェブサイトは www.innami-atsushi.com/

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