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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > インナミリコメン > 2005/04/27UP エンヤ


インナミレコメン 印南敦史の選ぶオススメの1枚
エンヤ『Paint the Sky With Stars:The Best Of Enya』
エンヤ『Paint the Sky With Stars:The Best Of Enya』

TRACK LIST
   
  01. Orinoco Flow  
  02. Caribbean Blue  
  03. Book of Days  
  04. Anywhere Is  
  05. Only If  
  06. The Celts  
  07. China Roses  
  08. Shepherd Moons  
  09. Ebudae  
  10. Storms In Africa  
  11. Watermark  
  12. Paint The Sky With Stars  
  13. Marble Halls  
  14. On My Way Home  
  15. The Memory Of Trees  
  16. Boadicea  

スタイル変わらず。なのにどの曲にも際立つ部分がある、不思議な魅力を持った人
   

1988年の秋は、ノミのように小さなデザイン会社で働いていた。
フリーでイラストレーター/グラフィック・デザイナーをやっていたものの食っていけず、仕方がないから夢なかばにして就職の道を選ぶことにしたのだった。

デザイン会社といっても新富町の古いマンションの一室で、仕事はちっともおもしろくなく、でも生活のためにはがまんもしなくちゃな、というような毎日だった。

「君はどんなミュージックが好きなの?」
先輩デザイナーは、2DKの事務所で、なんだかものすごく業界人ぶっていた。
「ミュージックて…音楽といえよ音楽と!」
横文字化すればオシャレだと信じて疑わない感性が信じがたく、声に出していいたかった。が、いえるはずもなく、「そうですねえ…」とテキトーに話を合わせていた。

事務所ではいつも、新しく開局したFM局がかかっていた。
「『J-WAVE』っていうんだけどさあ、しゃべりが少なくてミュージック主体なんだよね」
先輩デザイナーが説明してくれた。とっくに知っていた。が、そんなことがいえるはずもなく、「そうですねえ…」とテキトーに話を合わせていた。

森のなかにいるような気分にさせてくれる、柔らかくて不思議な曲が日に何度もかかった。
Orinoco Flow」というその曲のことがどんどん気になってきて、やがてそれがはいっているCD『Watermark』を買った。
歌っているエンヤという人が、アイルランドの兄弟グループ、クラナドに在籍していた(妹なんで)ことをあとから知り、納得したおぼえがある。ソロになってから「The Celts」という曲をヒットさせ、そして『Watermark』でブレイクしたという経緯。

インストゥルメンタルの「Watermark」。
広い大地をイメージさせる「Storms In Africa」。
Orinoco Flow」以外では、そのあたりが印象的だった。うまくいかない日常からくるストレスを、すーっと和らげてくれるようで。

以後何年か、いくつかのデザイン会社や広告代理店をわたり歩いた。すこしずつだが、自信もついていった。結婚したのもそのころで、同じ年にエンヤは『Shepherd Moons』というすてきなアルバムを出した
そんなこともあり、個人的にはこのアルバムって印象がいちばん大きい。タイトル曲の「Shepherd Moons」や「Ebudae」、「Book Of Days」、「Marble Halls」などなど、好きな曲がたくさんあった。なかでも「Caribbean Blue」を聴くと、いまでもみずみずしい記憶がよみがえってくる。

基本的にエンヤの曲は、どれもほとんど同じである。にもかかわらず、個々の楽曲にはっきりと際立つ部分がある。特に個人的体験とリンクする部分があったわけではないのに、'95年作『The Memory of Trees』内の「Anywhere Is」や「China Roses」あたりまでもが鮮烈な記憶となって残っているのはその証拠。
しかし考えてみると'00年の『A Day Without Rain』以来、エンヤはアルバムを出してませんね。
CMにも使われた名曲「Wild Child」以下、「Orinoco Flow」を彷佛させる「Flora's Secret」や「Silver Inches」、やはり森のなか系な「Fallen Embers」や「Pilgrim」など、あのアルバムもいい曲満載なんだけど、そろそろ新作を聴いてみたいなという気もする。

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  1962年東京出身。雑誌、ラジオなどで活躍中のエッセイスト/フリーライター/編集者/DJ。音楽を中心としつつ、食からバカネタまでに広く精通。すべてのカテゴリーにおいてマニアックに暴走することなく、独自の語り口でわかりやすく伝えることを信条としている。著書に『あの日、ディスコが教えてくれた多くのこと』『ブラックミュージックこの一枚』(知恵の森文庫)他多数。
『TITLe(文芸春秋)』『ラピタ(小学館)』『BRIO(光文社)』『モノ・マガジン(ワールド・フォト・プレス)』『月刊PLAYBOY』等、多くの雑誌に執筆。TBSラジオ『ストリーム』出演中。脱力系日記が人気のウェブサイトはwww.innami-atsushi.com/
 






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