「MUSIC TREE(ミュージック・トゥリー)」は、温かい気持ちを持っているアーティストの活動を応援するために「株式会社USEN(代表:宇野康秀)」と、森を守り育てるエコ活動を行っている「more trees (代表:坂本龍一)」とのコラボレーションによって誕生した、チャリティープロジェクトです。アーティストのみなさんは自分で作った楽曲を配信することで、リスナーのみなさんはその楽曲をダウンロードすることで、チャリティーに参加することができます。
'92年、現ボアダムスのヤマタカアイとDJの竹村延和が在籍していたヒップホップ・ユニット、オーディオ・スポーツのアルバム『ERA OF GLITTERRING GAS』から、「Eat & Buy & Eat」という曲がシングル・カットされた。ゲスト・ラッパーとして名古屋のBEAT KICKSの「MC TWIGY」が参加した、ヘヴィーなファンク・トラック。で、いうまでもなくこのゲストは現在のTWIGYである。上京した彼がMUROとともにマイクロフォン・ペイジャーを結成したのも、これとほぼ同時期だったと記憶している。なぜなら当時から、圧倒的な存在感がものすごく気になっていたからだ。
はじめてゆっくり話をしたのは、たしかペイジャーがアルバム『DON’T TURN OFF YOUR LIGHT』をリリースする直前。NASの初来日公演にフロント・アクトとして出演した直後だったろうか。記憶はちょっと曖昧だが、とにかく僕らは雑誌のインタヴューのために渋谷宇田川町の「ルノアール」で待ち合わせたのだった。
強烈な印象として残っているのは、はじめて至近距離で顔をあわせた瞬間に、TWIGYがこちらを見ながらフロウをカマしたことだった。
「Innami in the place to be!!」(インナミ・イン・ザ・プレイス・トゥ・ビー!)
たったそれだけだったが、「印南」で瞬時に韻を踏んだセンスに脱帽した。ちょっと笑えるライミングでもあるんだけど、TWIGYの手にかかると妙にかっこよく聞こえたのだ。そしてそのとき改めて、この男の才能を実感した。
あたかも生まれた瞬間から、ラップすることを義務づけられていたような印象がTWIGYにはある。気持ちの悪いお世辞ではなく、ペイジャーとしての活動にも、YOU THE ROCK★、RINO、G.K. MARYAN、DJ YASらの重鎮を擁する雷家族で見せたパフォーマンスにも、総じてそのような印象があったのだ。もちろん、ソロになってからも。というよりむしろ、'98年にソロ・アーティストとして『AL-KHADIR(アル・ハデル)』をリリースして以降の彼はそれまで以上にどっしりとして見える。