総合TOP > リコメンドインデックス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2008/01/16 五つの赤い風船
日本で初めての“インディーズ・レコード”ともいえる“URC”(アングラ・レコード・クラブ)は1969年1月に設立された。社長は、高石ともや、岡林信康、五つの赤い風船などをかかえるプロダクション“高石音楽事務所”の秦政明社長だった。 そんなURCの記念すべきアルバム第1弾が『高田渡/五つの赤い風船』(69年2月発売)だった。片面に高田の曲が7曲、片面に風船の曲が8曲収録されていた。異なるアーティストが片面ずつというのは今では信じられないことだが、当時はコンテストで人気の高かった2組のアーティストのカップリングは豪華版だったのである。 なぜ記念すべき第1弾アルバムに高田と風船に白羽の矢が立ったかというと、彼らが高石、岡林に次ぐスター候補だったからだ。特に風船の人気は急上昇中だった。彼らのオリジナル曲「遠い世界に」はフォーク・コンサートで出演者全員と客が一体となってうたう“シング・アウト”用として必ずうたわれたことによって、たくさんの人たちに知られていた。そんな曲を当時ビクター・レコードの深井静史ディレクターが見逃すはずはなかった。 「URCはマニア向け、ビクターはメジャー向けということで秦さんと話はついていましたので、私は『遠い世界に』を69年5月5日にシングルとして切ったんです。あのメロディの普遍性は必ず受け入れられると確信したからです」 深井さんの読み通りに、「遠い世界に」は今、音楽の教科書に採用されるほどのスタンダードになっている。