総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2007/08/08 スターダスト・レビュー
スターダスト・レビューが送りだした名曲ラブバラード「木蘭の涙」は、メロディーだけの段階では「大陸の恋」という仮タイトルがついており、そのイメージをもとに作詞家の山田ひろしが書き上げたのは、1930年代の上海あたりを連想させるという歌詞だった。異国の地で出会った女性との永遠のロマンスを願う切ない男心を歌ったものだが、あまりにも個性的なメロディーと詞が偏りすぎているのではないかと、メンバー間で迷いが生じ、書き直されることになる。 とはいえ、その歌詞の持つ匂いは大事にしたい。匂いを崩すことなく、もう少し現実味のある柔らかいラブソングはできないかというメンバーの希望に添う形で山田が再度書き上げたのが、「木蘭の涙」だった。 曲と詞が完成してレコーディングが終わると、これまでの歌詞の経緯を知っている人たちにとっては、想像もしなかった意外な聴かれ方をしていることが判明する。制作担当のJCMの山内英邦さんは言う。 「実は、詞を書いた山田さんも、それをレコーディングしたメンバーもスタッフも、男の歌のつもりでした。詞の中の、私を置き去りに……と歌う私が男、亡くなったのが女という設定でした。ところが、根本要が歌ったら女歌に聞こえるんです」 カラオケになった「木蘭の涙」には、亡くなった男性を思い涙にくれる女性の映像がつけられた。誰もがこの曲を、女性が主人公の歌だと思ったからである。 上海のロマンスを感じさせる歌詞を出発点として、壮大なラブソングに仕上がった「木蘭の涙」は、不思議な道のりをたどって、多くの人の涙を誘う“女歌”へと姿を変えたのだ。