総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2007/07/25 高橋真梨子
‘78年にソロ・アーティストとして新たな道を歩み始めた高橋真梨子だったが、それなりの売り上げを記録するものの、これと言えるヒット曲には恵まれなかった。そんなさなか、担当ディレクターが若い昼田純一さんに代わった。昼田ディレクターになっての第一弾は「for you…」。今ではたくさんの人たちに親しまれ、歌われている曲だが、発売当初は芳しい成績を残すことはできなかった。「このままではいけない。思い切った方向転換が必要かも……」と昼田ディレクターは考えた。 「バラード・シンガーとしては確立したものを持っていましたが、発表する作品はいずれも、それまでのラインを踏襲したものばかりだったのです」 そこへ、CMタイアップの依頼が舞い込んできた。クライアントはカメリヤ・ダイアモンド。夜の時間帯に大量のCMを流し、ヒット曲を次々と生み出しているCM界の革命児からの依頼だった。極彩色の派手な映像も既にできあがっていて、それに合う曲が求められていたのだ。 アクの強い映像に似合うのはアクの強い曲。「佐藤隆に書いてもらえたら……」。以前から昼田ディレクターの頭の中にあった企画が、そのとき具体的な行動に変わった。 「佐藤隆さんの作品は、メロディーに隠れた味があって、ずっと目をつけていましたが、タイアップがきっかけでお願いしたところ、未発売のものから選ばせてもらえることになったのです」 こうして「桃色吐息」は完成したが、それまでとはまったく新しい路線にとまどったのが、他ならぬ高橋真梨子自身だった。昼田ディレクターは言う。 「レコーディング前から、私がちゃんと歌い切れるタイプの歌じゃない、と不安を口にしていましたが、終わったときも達成感ではなく、これで良かったのかな、というすごく不安そうな感じだったんです。CMの話がなかったら彼女は拒否していたかもしれません。不安で本当は歌いたくなかったというのが本当のところだと思います。でも、そのあたりが逆にスリリングな演出になっていて、彼女の新たな魅力になったのだと思います」 昼田ディレクターの判断は正しく、「桃色吐息」は大ヒットし、彼女の代表曲が誕生したのである。