総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2007/06/13 松山千春(5)
「人生の空から」は「吹っ切れる寸前の歌だった」と松山千春は言う。 1980年9月21日に、NEWSレコード第一弾シングルとして発売された「人生の空から」は2枚組シングル(「人生の空から」「雨の夜」「海を見つめて」「こいごころ」)の“パノラマ・レコード”として大いに話題になった。アルバムの2枚組はよくあるが、シングルの2枚組はそれまでなかったからだ。だからマスコミはこぞって話題にした。そのため、当初は“2枚組シングル”ということだけがクローズアップされてしまい、肝心の2枚組にした理由はあまり浸透しなかったが、実は用意周到な計算があったのだ。 2枚組で1000円ということは、実質的にはシングル1枚が500円である。これは千春がファンのことを考えてとった優しさだった。こうした優しさも、千春に光明が見えつつある時期だったからこそできたのだろう。このころ、千春の中で何かが吹っ切れつつあった。 「“人生の空から”は“限りある命”(81年5月21日発売のアルバム『時代をこえて』に収録)に行く過程でできた歌だね。“限りある命”は、人間はどうせ死ぬのだから、自分の人生は時にあずけようと達観した歌だが、“人生の空から”はそこまでいかなくて、俺はとにかくあっちこっちへ行って、いろんなことをやってみる。そして最後にまた一度会えたらいいじゃないかという歌で、気持ちとしては物事にあまり執着しないで、とにかくやりたいことをやろう、それが人生だ、みたいな気持ちだった。そんな気持ちを超えて、“限りある命”では、人間は必ず死ぬが、でもそんな人間でも普遍的なものを残せるんじゃないかという気持ちになる」 「人生の空から」には、今を生きることが大切だ、という千春のポリシーがあり、それを貫くことができたからこそ、次の「限りある命」までたどり着けたのである。