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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2007/05/09 松山千春(4)

  vol.62   富澤一誠のフォークが好き!  
松山千春 「恋」
別れた女性との“セピア色”の思い出・・・「恋」

 過ぎ去った思い出は時がたつにつれ、けばけばしさがとれ、セピア色になっていく。特に、男の、別れた女に対する思い出は、時がたつと、1枚のセピア色の写真となって、心の片隅にしまわれる。どんな男にも、そんな写真の1枚か2枚は必ずあるものだ。  千春にも忘れられない女はたくさんいる。今でも千春はそんな別れた女が好きだという。

「“恋”という歌をうたっていると、おれは安心するんだ。なぜかなあ? きっとこれまでに付き合っていた女の思い出がぎっしりとつまっているからじゃないかな。この歌をうたっていると、遠い過去のことが次から次へと思い出されてくる。おれは別れた女が今でも好きだ。ある時期、おれの人生を彩ってくれた女たちの横顔を思い浮かべると、本当に“ありがとう”といいたい気持ちになる。寂しくなると、ふと振り返りたくなる。でも、結局は“戻れない”ということを自覚しなければならない。おれはこの歌をうたっていると、別れた女を思い出すと同時に、もう戻ることができないんだということを強く思わざるをえない。おれもみんなも、ここまで来てしまった以上、もう戻れないんだ」

「男はいつも待たせるだけ」と「恋」(1980年1月21日発売)をうたいながら、千春はいつも「前に進むしかない」と思っている。そこがいかにも千春らしいところだが、過ぎ去った思い出を現実に引き戻すことができないことも、また確かなことである。
「恋」は千春の数多いナンバーの中で最もカラオケでうたわれる機会の多い歌だが、この曲を好んでうたう人たちは、“セピア色”の別れた女のことを思い出して感傷にひたっているのだろう。つかのまでも現実を忘れて美しい思い出にひたりたい。そう思いながら「恋」をうたう、私もそんなひとりである。

 
松山千春  「恋」
TRACK LIST

松山千春
『起承転結II』
1981 Release
ダウンロード価格
トラック \200(税込)

アーティスト詳細へ


   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。




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