総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2007/05/09 松山千春(3)
アーティストにとって切り札はヒット曲だ。松山千春の切り札は「季節の中で」である。だが、「ヒットは意識しなかった」という。 「“季節の中で”は初め曲だけできていた」と千春は語る。 「あれは足寄にいるころできた曲だね。最初、詞がなかった。でも、われながらいい曲だと思ったね。イントロで急に“めーぐるー”って高くなるじゃない。これは画期的な歌だと思ったね。詞をどうしようかと思っているときに、倉本聰さんとこへ行ったわけ。そこでSTV創立20周年用に倉本さんが脚本を書いたテレビ・ドラマ『一年』、これはおれも音楽を担当したんだけど、そのフィルムを見たわけ。そうしたら急に詞ができた」 画面には、汽車に乗っているひとりの女が映っていた。その女はなにかもの思いにふけりながら、うつむいていた。汽車はそんな女を乗せてひたすら原野を走る。そして突然、汽車は広々とした海岸に出た。そのとき、千春には「これだ!」というインスピレーションがひらめいた。 「これだと思ったとき、“季節の中で”の“うつむきかけた貴方の前を 静かに時は流れ”というフレーズができていた。あとはもう言葉を捜すだけだった」 心の高まりがドラマの刺激を受けて「季節の中で」は生まれたのだ。この曲は1978年8月21日に発売され、9月下旬にはシングル・チャートの30位に登場した。10月に入ってから3週間ぐらい足ぶみを続けた後、急に上昇を始め、ついに11月16日には首位になり、以後6週間連続してトップを独走し、ミリオンセラーとなったのである。