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「神田川」は時代を的確に表現していただけに歌を超えた影響力を持った。そんな「神田川」に映画関係者が目をつけたのは当然のことと思われる。田中迪プロデューサーは語る。
「東宝と日活から同時に映画化の話はありました。我々としては日活の藤田敏八監督でやりたかったんですが、作詞家の喜多條忠君がさっさと東宝と契約してしまって、それで“神田川”は東宝で関根(現高橋)恵子、草刈正雄の主演で映画化されたんです」
「神田川」映画化の裏にはもうひとつのエピソードがある。
「日活サイドからは当時藤田敏八監督の助監督をしていた長谷川和彦さんが熱心に交渉に来てくれていました。“神田川”は喜多條君が独断で東宝と契約してしまい、我々としては日活に申し訳なかったので、次のシングル用に考えているいい曲があるので、こちらでどうでしょうか、といって、長谷川さんに“赤ちょうちん”を聴いてもらったんです。そうしたら気に入ってもらって…」
「赤ちょうちん」は74年1月25日に発売された。“あなたと別れた雨の夜 公衆電話の箱の中 ひざをかかえて泣きました”という実体験に裏打ちされたリアリティーが共感を呼んで、これも70万枚を超える大ヒットとなった。
「赤ちょうちん」は田中さんの希望通りに日活で藤田敏八監督で映画化され高い評価を得た。そして、この作品でデビューした秋吉久美子の出世作となったのである。これは喜多條さん“独断”のプラス面といっていいだろう。
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