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総合TOP > お役立ちインデックス > OnGenアーカイブス > 富澤一誠のフォークが好き! > 2006/10/25 ばんばひろふみ

  vol.48   富澤一誠のフォークが好き!  
ばんばひろふみ /「『いちご白書』をもう一度 」
「もう若くないさ」・・・多くの人の共感を呼んだ青春ソングの名曲

 バンバンの「『いちご白書』をもう一度」(1975年8月1日発売)は、同年10月27日から12月22日まで9週連続でシングル・チャートの首位を独走しミリオンセラーとなった。作詞作曲はユーミンだったが、実はバンバンにとっては背水の陣を敷いての“最後の賭け”だったのだ。その辺の事情を前田仁ディレクターは語る。
ばんばひろふみが今度売れなかったら田舎に帰って家業(料理旅館)を継ぎます、というので、だったらおれにすべて任せてくれるか、といったんです。で、ユーミンに曲を頼むことにしたんです」
 内容は、<いちご白書>というコロムビア大学紛争を描いた映画のポスターが壁に貼ってあったことから、彼女とふたりで<いちご白書>を見に行った青春時代のことを思い出していく。この歌の主人公の男は青春時代を熱く過ごしている。無精ヒゲと髪をのばして、学生集会へもときどき出かけて行った、といったふうに典型的な学生の姿がうまく描かれている。当時、若さの象徴はヒゲと髪、そしてときどき学生集会に出かけることだった。髪・ヒゲ…そんなものに理屈などはなかった。だが、髪を長くし、ヒゲをのばすことが若者たちにとっては必要なことだったのだ。

 しかし、大学4年になって“就職”という言葉が重く感じられるようになると、多くの者は、就職が決まって髪を切り、「もう若くないさ」と言い訳した、と、この歌にうたわれているようになってしまう。“もう若くないさ”と言い訳することによって、どうにかなるとは思っていない。これはいうならば“テレ隠し”である。“もう若くないさ”という言葉の裏には寂しさがべったりと張りついているのだ。その意味では、「『いちご白書』をもう一度」は青春に別れを告げなければならない人たちの歌だった。挫折していった人たちの歌かもしれない。そんな人たちの心の代弁をしたからこそ、この歌はたくさんの人々の胸を打ったのだろう。

*『Hello Again』収録の「『いちご白書』をもう一度」等の旧曲は、新しい編曲によるニュー・バージョンです。

 
ばんばひろふみ /「『いちご白書』をもう一度 」
TRACK LIST

ばんばひろふみ
『Hello Again 』
2001 Release
ダウンロード価格
トラック \200(税込)

アーティスト詳細へ


   
   1951年、長野県須坂市生まれ。70年、東京大学文科V類に入学。その後、現状にあきたらず、大学を中退。71年、音楽誌への投稿を機に音楽評論活動に専念。現在、ジャパニーズ・ポップス専門の音楽評論家として、独自の人間生きざま論を投影させ、広く評論活動を展開。
 著書は、ベストセラーになった『松山千春──さすらいの青春』『さだまさし──終りなき夢』『俺の井上陽水』をはじめとして、『新宿ルイード物語』『俺が言う@』『俺が言うA』『フォークが聴きたい』『Mの黙示録 ミリオンセラーは教えてくれる』『フォーク名曲事典300曲』『フォーク検定』など全56冊。
 【WEEK-END PARTY〜forever young〜】(FM NACK5/毎週土曜深夜0時〜3時)【SPIRAL OF MUSIC】(TOKYO FM/毎週金曜夕方5時〜5時30分)【ミュージック・ゼミナール】(STAR digio/毎週土曜夜11時半〜0時)【DAY BREAK FRIDAY富澤一誠 青春のバイブル】(JFN系列27局ネット/第一金曜日深夜3時〜5時)などのプロデューサー&パーソナリティーとしても熱いメッセージを送り続けている。全国的ヒットとなった『MOTER MAN』のSUPER BELL"Zを始めとして、骨骨先生、K-SAMA☆ロマンフィルム、yumirose、ミス・ゴブリン、さくまひでき、熊猫xiongmaoなどのプロデューサーとして、新しい才能を発掘・育成もしている。と同時に、評論家生活を通じて収集した膨大な量のプレスシート、パンフレット、アナログレコードなどを展示した<MUSIC & ARTIST DATA BANK フォーク&ニューミュージック資料館>を2005年春より公開、エルダー・マーケットの開拓にも力を注いでいる。
ブログ公開中(http://tomisawaissei.blog72.fc2.com/)。




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